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排水の着色原因と解消法

2024.09.24

1.概要

排水処理における放流水の着色は、染料工場や飲料工場、下水放流水などでよく観られます。従来、産業排水は排水処理設備により排水基準以下の水質まで処理されて環境中へ放流されていますが、 色度についての規制はなく、染色排水や飲料製造排水等による公共水域の着色も少なくありません。これらの排水の着色は濃度が低い場合であっても視覚的に観られるため、汚濁感が強く地域住民の苦情対象になっています。色味に対する排水規制がある自治体は限られており、このような水環境の着色が問題視され、水資源の環境を保全する立場からも排水の脱色が強く望まれており、有害物質や汚濁物質と同様に環境中へ放出する前に適切な処理をおこなう必要があります。

2.排水の着色原因

染色工場排水における着色原因は、染料や染色助剤があります。染料は水に溶けやすく非常に細かい粒子を含むため排水処理が難しくなります。飲料工場排水における着色原因は、コーヒーやお茶などがあります。コーヒーは、焙煎によって茶色い色素成分が生成されます。これらはコーヒーに含まれるたんぱく質と糖類が反応し、メラノイジンやカラメルが生成される以外に、コーヒー豆にあるクロロゲン酸類の成分と糖類の化学反応から褐色色素群が生成されます。お茶は、緑茶はクロロフィルと言われる緑色色素、紅茶はポリフェノール由来でフラボノイドという色素成分に由来し、赤色を呈します。これらが水中に溶出することで着色された排水となります。その他、し尿処理における着色成分は、ヘモグロビン等の変性物、胆汁成分に由来する物質などがあり、褐色に着色された排水となります。

3.排水着色の除去方法

排水からの着色の除去方法としては、活性炭吸着法、オゾン酸化法、凝集沈殿法、フェントン反応法などがあります。これらの脱色方法と特長を以下の表に示します。

凝集沈殿法の原理と特長

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凝集沈殿処理は排水処理プロセスにおいて重要な役割を担い、適切な設計と薬剤選定が重要です。凝集処理の疑問点を解消し、持続可能な工場運営を目指す一助となれば幸いです。

参考資料:畜産排水処理水の低コスト脱色技術の開発 出展 新技術内外畜産環境情報 株式会社 協和エクシオ 研究開発センター事業場排水指導指針と解説 2016年版 公益財団法人 日本下水道協会 p189 凝集沈殿処理

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