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排水処理設備に係るランニングコストについて
2025.05.24
はじめに
工場の環境対策やコンプライアンス対応として欠かせない排水処理設備。その維持管理にかかるコストのうち、日々の運転に影響を与える「ランニングコスト」は無視できません。中でも、電気代・薬品費・汚泥処分費は主なコスト要因であり、設備の運用効率やコスト改善を考えるうえでの重要な検討対象です。今回は、排水処理に係る代表的なコスト要因と内訳について説明します。
1.電気代 ~送風機が主な消費減~
排水処理における電気代は、設備の種類や処理方式により大きく異なりますが、一般的には以下のような設備の稼働による消費が主な内訳となります。

2. 薬品費 ~原水の性状に応じた使用量が影響~
排水処理にいて、排水性質に応じて、さまざまな薬品が処理に使用されます。薬品は継続的に使用するため、日々の使用量や単価がランニングコストに直結します。

薬品の投入量は原水の性状や日々の処理水質によって変動するため、自動制御装置の導入や適正な薬品選定によりコストを抑える工夫が求められます。
3. 汚泥処分費 ~処理量と含水率がコストに直結~
排水処理の副産物である汚泥は、適切に処分しなければならず、これにかかる処理費用や産廃費用も年々上昇傾向にあります。
汚泥の主な発生源として、加圧浮上処理の浮上分離した汚泥や凝集沈殿で分離した汚泥、生物処理で増殖した余剰汚泥などがあります。これら汚泥の含水率が高い場合、運搬コストや処分費が増加します。汚泥の含水率を下げる方法として、汚泥脱水機や乾燥機などがあり、減容化することで処分コストを低減することができます。
4.まとめ
排水処理設備のランニングコストは、単に処理を「維持する」ためだけでなく、環境負荷の低減や経営効率の向上にも直結します。電気代、薬品費、汚泥処分費の3つの主要コストについて、具体的な費用項目を把握し、現場でのデータ収集や改善提案を積極的に進めることが重要です。
コストの「見える化」に取り組むことで、省エネ設備の導入、薬品使用の最適化、汚泥発生量の低減など、多くの改善余地が見えてくるはずです。
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