KNOWLEDGE
排水処理における消費電力の削減方法 各論① ~ターボブロワの導入で実現する省エネ~
2025.05.28
「排水処理設備に係るランニングコストについて」では、排水処理にかかる主なランニングコストとして電気代、汚泥処分費、薬品費の3つを取り上げました。その中でも電気代は、曝気に必要な送風設備、特にブロワの運転による消費が大きな割合を占めます。
本記事では、その電気代を効果的に削減する方法の一つとして、ターボブロワの導入について詳しく解説します。従来型のルーツブロワとの違いや、導入によるメリットを具体的に紹介し、排水処理設備における省エネのヒントとしてお届けします。
1.ブロワが排水処理で果たす役割と電力消費の現状
排水処理では、活性汚泥法や接触ばっ気法といった生物処理工程において、微生物に酸素を供給するために空気を送り込む曝気が行われます。この曝気に使用されるのがブロワ(送風機)であり、24時間稼働しているケースも多いため、電力消費の中でも最も多くを占めます。
多くの施設ではルーツブロワが使用されており、導入コストの面や構造が単純でメンテナンス性に優れる一方、効率面では改善の余地があるとされています。
一方で、ターボブロワは、羽根車を高速回転させて空気を圧縮する遠心式の送風機です。近年では、高速モーターとインバータ制御、空気軸受けなどの技術革新により、コンパクトで高効率なモデルが各メーカーから多数登場しています。
ターボブロワの主な特徴は以下の通りです:

2.導入のポイントと活用事例
ターボブロワ導入にあたっては、以下のようなポイントが成功のカギとなります。
・現行設備の運転状況を把握し、風量・運転時間・電力使用量のデータを収集
・DOセンサーや制御システムと連動させ、風量制御の自動化による運用最適化
・騒音などの規制強化
また、多くの工場でCO₂排出量削減や省エネ補助金の活用を目的として導入されており、特に食品工場や化学工場などで採用事例が増加しています。
3.まとめ
排水処理における電気代は、日々の運転の積み重ねであり、小さな改善が年間数十万円〜百万円単位の削減につながります。中でもターボブロワの導入は、高効率化・自動化・メンテナンス性向上を一度に実現できる有力な選択肢です。
電気代削減を考えるうえで、まずはブロワの運転状況を「見える化」し、ターボブロワ導入による効果をシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。
本件に関するお問い合わせ
下のフォームにお問い合わせ内容をご入力いただき、
個人情報の取り扱いに同意のうえ「送信」ボタンを押してください。
