NZAM

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Net Zero Asset Managers initiative

概要

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資産運用会社が2050年までに、投資ポートフォリオの温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指す国際的な枠組み。
しかし、2025年初頭にアメリカでの政治・規制環境の変化により、NZAMは活動の一時停止と見直しを発表している。

解説

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2020年12月に発足した国際的な枠組みであり、世界の資産運用会社が2050年までに投資ポートフォリオの温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指していた。
この取り組みは、パリ協定の目標に沿って、金融業界が気候変動対策に積極的に関与することを促すもので、国連主導の「グラスゴー金融同盟(GFANZ)」の一部としても機能している。
参加企業は、投資先企業の脱炭素化を促進し、排出量削減目標の設定や進捗報告、ESG(環境・社会・ガバナンス)要素の投資判断への組み込み等を行ってきた。

しかし、2025年に入り、アメリカの政治情勢が大きく変化したことで、NZAMは重大な転機を迎えた。2024年末には、世界最大の資産運用会社であるブラックロックがNZAMからの脱退を表明。
これに続き、他の米英系運用会社も相次いで離脱した。
背景には、トランプ政権の復帰を見据えた共和党主導の反ESG運動の高まりがあり、ESG投資や気候関連の取り組みに対する政治的圧力が強まっている。

このような状況を受けて、NZAMは2025年初頭にすべての活動を一時停止し、「新しいグローバルな状況に適合するための見直し」を開始した。
公式サイトからは署名企業の一覧や目標、報告義務などの情報が削除され、イニシアティブの再構築が進められている。

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