公開日:2024/7/8

最終更新日:2024/7/8

酸素バリア性 約50%UP、内容物の酸化劣化を抑えるスパウトが誕生!

プラスチック射出成形の生産プロセスをコアビジネスにする、弊社アスカカンパニーでは、「リデュース」に貢献できるスパウトパウチ容器向けの部材として、「ASスパウト・キャップシリーズ」の販売、開発を進めております。スパウト(飲み口、材料:ポリエチレン)は、酸素「バリア性」がニーズとして挙がることが度々あり、この度、試作開発に取り組みました。

『バリア性』という課題を乗り越えたスパウト

「ポリエチレンは、酸素バリア性があまり良くない」というのは、大量のポリエチレンを使用する容器包装業界では周知の事実です。
酸素バリアを必要とする包材においては、ポリエチレン単体で使用されることはほぼ無く、多層構造でバリア性を補ったり、単一素材で成形することが多い射出成形では、包材の一部材の限られた使用に留まっています。

これまでにも、スパウトの酸素バリア性を向上することはできないか、試作評価に取り組んだことがありました。
しかし、強度や寸法、機能面で製品にマイナスの影響が出たり、そもそも、バリア性の効果がそこまで高くなかったり、市場に流通する商品として、実装するには現実味が無かったりと、成果を上げるに至りませんでした。
しかし、この度、ポリエチレンの射出成形品でありながら、酸素バリア性能が約50%向上するスパウトの開発に成功しました!
その商品が「AS9.5バリアスパウト」です。外観は現行のAS9.5スパウトと変化はありませんが、酸素透過性を測定したところ、透過度を50%抑制する結果を得ることができました。

画像提供:アスカカンパニー株式会社

アボカドを使って、いざ実験!

『酸素透過度50%抑制』が内容物に対してどのような効果があるのか、簡易的ではありますが社内で実験してみました。

今回実験に使う内容物として、ペースト状のアボカドを採用しました。
生のアボカドを調理する時をイメージしていただくと分かる様に、アボカドには酸化による褐変が出やすい特徴があります。(他にもリンゴや桃、ショウガなど同様の特徴を持っている身近な素材は多くあります。)
ペースト状に加工する過程で酸化が進んだり、空気を内包してしまうことを懸念して、ダイスカット状で冷凍されているアボカドを、未開封の状態で押しつぶしてペースト状に加工して使用しました。

画像提供:アスカカンパニー株式会社



これまで、お客様からは、「スパウトに近いところから変色や内容物の劣化が起こっている。何とかできないか?」とのお声を頂くことがありました。

そのため、現行原料のスパウトとキャップを用いた「通常スパウトパウチ」と、バリアスパウトとバリアスパウトと同原料で成形したバリアキャップを用いた「バリアスパウトパウチ」のそれぞれに、スパウト上端(キャップと接するギリギリの部分)までアボカドペーストを充填して、変化を観察することにしました。

スパウトパウチに充填して60日、その結果は?

あとは、冷暗所に保管して変化を観察する日々です。

写真は通常のスパウトパウチと、「バリアスパウトパウチ」の充填直後と30日後、60日後の様子です。
一度開封してしまうと、酸素に触れてしまい、バリア性能を見た目では判別できなくなってしまうので、未開封のまま観察した結果は以下の通りです。

画像提供:アスカカンパニー株式会社



30日経過して、何となくスパウト部の内容物の色味に変化が見られるような気がするものの、肉眼ではその変化に気付いても写真では判別できない程度でした。

そして60日後、通常のスパウトパウチの方がスパウト部分の変色が強く感じられたため、開封してスパウト部分に充填されていたアボカドを押し出して比較した様子です。

画像提供:アスカカンパニー株式会社



通常のスパウトパウチと「バリアスパウトパウチ」では、内容物の状態に明らかな差が見られました。
通常のスパウトパウチでは内容物の劣化が原因とみられる色、形状、状態と見た目の変化が顕著であるのに対し、「バリアスパウトパウチ」ではその変化が抑制できていることがよくわかりました。

今回使用したパウチ袋は、スパウトパウチと、バリアスパウトパウチのどちらにも多層構造でバリア素材を含むものを使用しており、スパウトの下端から容器下部(パウチ袋)にかけて変色は見られませんでした。
お客様からお聞きしていた、『スパウト部分から内容物の劣化が始まっている』というお話についても、この実験で確認することが出来ました。

是非、効果を実感してください

今回の実験は、一定の空間や条件を固定した実験ではなく、家庭内における管理方法のもとでの簡易実験の結果ですので、『これで様々な内容物に対する効果が認められました!』と断言できるものではありません。
ですが、スパウト・キャップ部分の酸素バリア性が向上することで、内容物の酸化劣化を抑える効果があることが確認できました。

消費期限延長やフードロス削減につながる可能性もある「AS9.5バリアスパウト」につきまして、ご興味を持っていただけましたら、一度ご評価頂けましたら幸いです。
ご質問、サンプル依頼などお待ちしております。是非お気軽にお問合せ下さいませ。

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アスカカンパニー株式会社

<所属>環境チーム
<専門分野>プラスチック射出成形、脱炭素に向けた取組み
プラスチック成形加工メーカーとして、脱炭素社会実現に向けた取組みを推進するとともに、社会実装の提案をしています。