公開日:2024/6/27

最終更新日:2024/6/27

改正省エネ法が企業に求める3つのポイント

2023年4月に施行された「改正省エネ法」は、電力使用量の絶対量の削減を目指すだけではなく、カーボンニュートラル達成に向けた合理的な削減手段の選択を企業に求めています。今回は改正省エネ法のポイントをご紹介します。

手軽なCO2排出量算定ツール

本題に入る前に、カーボンニュートラルを目指す上で先ず必要となる、CO2排出量の算定についてのトピックをお伝えします。

企業の敷地内で発生しているCO2排出量は、日本商工会議所が無料で提供している「CO2チェックシート」を使用して、簡単に算出することができます。
参照:日本商工会議所「CO2チェックシート」

電気・ガスなどのエネルギーや水道の利用量、廃棄物の排出情報を入力すると、CO2排出量に自動換計算してくれる、とても便利なツールですので、是非皆様もお試しになってください。
この中に出てくる、「0.5CO₂-kg/kWh」という数字は覚えておくと良いでしょう。1kWhの電力を使用すると、0.5KgのCO₂が排出量されるという意味になりますが、この感覚を身につけていただきたいです。
もちろん、実際の排出係数は、電力会社ごとに異なり、しかも毎年変動するので、あくまで感覚的に電力消費とCO2排出量の関係性を抑えるための数字です。

ポイント① エネルギー消費原単位向上

電気であろうと、ガス、石油であろうと、いわゆる化石燃料を使っている場合は、KL(キロリットル)という、共通のエネルギー使用量(原油換算エネルギー使用量と言う)に換算します。
企業が使用するエネルギー量の計算は、経済産業省資源エネルギー庁のHPより、自動算出できます。
参照:エネルギー消費量(原油換算値)簡易計算法

電気を例にとると、エネルギー熱量換算係数:8.64MJ/kWh という数字を頭に入れておきましょう。1kWhの電力を使用すると、8.64MJのエネルギーを使うことになります。
さらに、原油換算係数:0.0258kL/GJ も押さえておきましょう。1GJ(ギガジュール。MJの1000倍)は、0.0258KLの原油に相当します。

ただし、省エネ法では、これらのエネルギーの絶対使用量を減らすことが求めてられているのではなく、以下の図にあるように、5年間の原単位(この事業所の床面積㎡当たりのエネルギー使用量)の変化(4回)の平均値を、1%以上削減すること、つまりエネルギー消費原単位の向上が求められています。
簡単に言うと、オフィスの面積が2倍になってもエネルギーの使用量が1.95倍であれば、省エネの義務を果たしていることになります。

ほとんどの設備や機械は、最新の技術によって省エネ化や省スペース化が進んでいるので、国や自治体のエネルギー補助金を活用して、設備・機械を積極的に更新し、生産性とともに、エネルギー消費原単位向上を目指すことをお勧めします。

画像提供:一般社団法人中部産業連盟

ポイント② 再生可能エネルギー比率の向上

もう一つのポイントとして、改正省エネ法では、使用電力に占める非化石電力(再生可能エネルギーなど)の割合向上を目標に掲げることが努力義務となりました。
特に、自動車アッセンブリー企業は2030年度までに59%達成の目標が目安となっています。
省エネ法は、カーボンニュートラルのために、省エネだけではなく再生可能エネルギーの導入を求めているのです。

加えて、我が国は世界発のGX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債という国債を発行し、企業によるカーボンニュートラルの新技術開発に20兆円の支援をすることになりました。
このGXは、カーボンニュートラル達成というリスクをビジネスチャンスに替えて、我が国の産業構造を化石燃料に依存しないものに変えることを目指しています。

次回からは、こうした新しい動きも含めて、企業での実践例などを紹介していきます。

出典:「一般社団法人中部産業連盟 月刊誌プログレス」

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