公開日:2023/7/25

最終更新日:2023/8/25

ジョギングしながらごみを拾う、一石二鳥な「プロギング」とは? ~身体も心も、街も綺麗になる新しいフィットネス~

昔にはなかった「SDGs」や「well-being」といった考え方が、企業や個人の在り方に変化をもたらしている中で、昔から行なわれている「ごみ拾い」にも変化が出てきています。このコラムでは、ごみ拾いを推進する新たな発想とソリューションをご紹介します。

新発想の「ごみ拾い」

こんにちは、plaplat編集部のTomです。「プロギング」という言葉をご存じでしたでしょうか?
プロギングの名前の由来は、英語の「Jogging(ジョギング)」とスウェーデン語の「plocka upp(拾う/ピックアップ)」を合わせた造語で、スウェーデンで2016年に始められたものです。
まだ、7年ほどの歴史ですが、「ジョギングしながら、ごみを拾う」という、身体にも、心にも、環境にも、周囲への啓蒙にも良いSDGsフィットネスということで、その活動は瞬く間に世界中に広がり、今や世界100ヶ国以上で楽しまれている一大ムーブメントとなっています。
確かに街なかでごみ袋を持ってランニングされる方をお見かけしたことがあります。まさにプロギング中だったのですね。

実は世の中には、プロギングのような「ごみ拾い」を推進するソリューションが数多く存在します。
先日お届けした「海ごみゼロウィーク」もしかり、より楽しく、健康的に、そして簡単に、を意識したひらめきや発想が、ソリューションとなるサービスやアイテムを生んでいます。
今回はその中で、2つのソリューション紹介したいと思います。

ごみ拾い促進プラットフォーム「ピリカ」

「ピリカ」は、2011年に京都大学の学生(当時)が開発した「ごみ拾い専用SNS」です。
リアルイベントとして行なわれた地域清掃活動の回収量を発信することはもちろん、スマホさえあれば、いつでもどこでも気軽にごみ拾いや、オンラインのごみ拾いイベントに参加できるSNSとなっています。

画像提供:(株)ピリカ


このSNSピリカは、写真を使ってごみ拾い活動を発信することで、それを見たユーザーから「ありがとう」が送られてきたり、地元の方から感謝されたり、同じ思いを持った仲間が増え、SNSによって「繋がりを広げていく」ことを構想としています。

またSNSピリカには、個人はもちろん、企業・団体で利用するバージョンもあり、使用方法はアプリならではの非常に手軽なものとなっていますが、活用によって得られる効果はその手軽さに反して、とても充実しています。
最近は、SNSピリカのデータを活用した「見える化ページ」(有償)の導入が、自治体や、企業・団体で広がっており、ごみ拾い活動の広がりはますます加速していきそうです。

画像提供:(株)ピリカ


また、開発された株式会社ピリカ様のコンセプトとメッセージは以下となっており、このまま環境汚染を放置してはならないという強い意志が感じられます。

科学技術の力であらゆる環境問題を克服する

株式会社ピリカは科学技術の力であらゆる環境問題を解決することを目指す会社です。
多様な環境問題の中でも、私たちはまず一歩目として、ごみの自然界流出問題に取り組んでいます。

画像提供:(株)ピリカ

2040年までに自然界に流出するごみの量と回収されるごみの量を逆転させる

我々はごみの自然界流出問題に対し
● 計測:流出・回収されるごみの量や種類を定量的に把握する
● 対策:ごみの流出量を削減し、回収量を増加させる
という解決に不可欠な2領域に貢献する事業やサービスを生み出し世界中に普及させることで、問題の解決を目指します。

㈱ピリカWebサイト,出典_2023.7.25.https://uminohi.jp/umigomi/zeroweek/

ごみ拾いを楽にする便利道具「グリットハンド」

もう一つご紹介するのは、長年街なかのごみ拾いを行なって来られた方のひらめきで、開発され、特許も取得された便利道具「グリットハンド」です。
開発された亀岡さんのメッセージに、開発に至った経緯と気持ちが感じられ、とても親近感が持たれます。

『袋の端面を持って、汚いごみや濡れたごみをトングで拾ったとき、不安定な間口のため、端面が汚れて不衛生、持ち手も無く持ちづらい、と10年以上前から思っていました。
「ごみ拾い 袋の間口に イラっとし」
日本全国のごみ拾いの人たちが思っています。』

そこで、以下の5つのコンセプトを持って開発されたものがグリットハンドです。

① ごみ拾いの文化醸成
② ごみ拾いの効率化
③ 段ボール素材でエコ
④ 45㍑のごみ袋に対応
⑤ 箱体であり四角枠体である再生利用

画像提供:(株)グリット


四角枠体(グリットハンド)にごみ袋を装着することで、それが持ち手に変わり、持ちやすくなり、握るとごみ袋が開口し、緩めると閉じるという、ごみ拾いの一連の動きを効率化し、衛生的にごみ拾いできるグッズとなっています。
亀岡さんは以前にお勤めの会社でタイや中国で勤務されたご経験があり、そこで、ごみを捨てる、そしてそのまま放置する景色を目の当たりにして来られたため、この道具をアジアにも広め、大きなバウンダリでごみを拾う、ごみを捨てないムーブメントを起こしていきたいそうです。

楽天市場などで手に入るそうなので、ご興味のある方は是非検索してみてください。

地道なれど大事な改善

今回のレポートを通じて感じた事は、環境改善は、難しい調査や研究をしたり、お金がかかることだけではないということです。
再生エネルギーの開発や設置、生分解性プラスチックの開発や活用には労力や時間、資金が必要で、それらを投じて得られる改善効果や価値は大きいと思います。
しかし、それだけをイメージしてしまうとサステナブルな活動は、どうも他人ごとになってしまいます。
今回のような、身の回りのことから始める活動も、みんなで取り組めば地球規模の大きなソリューションに成長します。
さぁ、私もごみでも拾いながら散歩してこようかな、、、ちょっと気楽に、清々しくそのような考えが持てる調査でした。

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profile

Tom

<所属>長瀬産業株式会社 ポリマーグローバルアカウント事業部
<得意領域>工場運営、工程改善、SuMPO認定LCAエキスパート

<略歴>工業部品メーカーで工場経営に携わり、2022年より長瀬産業で「製造現場の脱炭素」に向けて活動中