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排水中の窒素成分の処理方法

2024.02.19

窒素の規制とその必要性について

窒素の排水基準は水環境の保全や健康被害の予防を目的として、各国や世界各地で設けられています。窒素化合物やリンなどが環境中、特に閉鎖性水域に放出されると、「富栄養化」という栄養塩類が高くなる現象が発生します。富栄養状態になると、藻類の増殖による透明度の低下、色の変化、pHの変動などの水質変化が発生します。また水温などの気象条件が藻類の増殖に適した場合には、アオコや赤潮が発生し、景観阻害や魚類への悪影響の原因となります。

このような環境影響を防止するために、日本では水質汚濁防止法により環境中へ排出される窒素成分について、下記の規制が定められています。

  • 人の健康に係る項目(有害物質):アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物(アンモニア性窒素に0.4を乗じたもの、亜硝酸性窒素+硝酸性窒素の合計量として100mg/L)

  • 生活環境項目:窒素含有量 120mg/L (日間平均 60mg/L)※生活環境項目については環境大臣が定める湖沼、海域およびこれらに流入する公共用水域に排出される排出水に限って適用されます。

排水処理設備においてはこれらの基準を満たすように設計、運用を行う必要があります。ここではアンモニア性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素の主な除去方法とその特徴について紹介します。

窒素処理プロセス

一般に窒素処理で用いられるプロセスを下記に示します。

BODを含む排水に対しては一般に硝化脱窒法が広く用いられます。また低濃度で共存物質が少ない場合などは、薬品を用いた不連続点法や吸着剤を用いたイオン交換法などが用いられます。各プロセスの詳細については以下の記事を参照ください。

【硝化脱窒処理不良の原因と解消法】の記事はこちらから

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凝集処理は排水処理プロセスにおいて重要な役割を担い、適切な設計と薬剤選定が重要です。凝集処理の疑問点を解消し、持続可能な工場運営を目指す一助となれば幸いです。

参考資料:和田洋六「用水・排水の産業別処理技術」東京電機大学出版局, 2011年

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