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自動車ランプ部品の工程内廃材のリサイクルによるサーキュラーエコノミー構築を目指して

自動車ランプ部品の製造工程内で発生した不良品や廃材は回収されてそのまま廃棄されているものも少なくなく、環境問題を引き起こす原因の一つです。NAGASEはパートナー企業様とプラスチックのマテリアルリサイクル技術を確立し、再びお客様にご採用頂くことで3Rを達成し地球環境への貢献を目指しています。

イシュー

自動車ランプ部品のサーキュラーエコノミー

多くのゴミの中でもプラスチックゴミは様々な環境汚染問題と紐づき着目されています。その理由はプラスチックが自然に分解されにくいという特徴にあります。プラスチックは生ゴミなどと異なり、自然に分解されるまでに数十年から数百年という長い時間を要します。そのため、長期にわたって自然界に残り続け、様々な問題を引き起こすことが懸念されています。


プラスチックゴミを焼却処理する際には、地球温暖化を引き起こす温室効果ガスの一つであるCO2が発生します。プラスチックゴミの増加によって焼却処理が増えれば、それに伴ってCO2の排出量も増加、益々地球温暖化の進行は加速することでしょう。


また、プラスチックゴミが不法投棄された場合、その多くは川などを流れ、海にたどり着いて海洋汚染を引き起こします。海洋汚染は海の生き物だけでなく、それを食べる人間にも影響を与えると考えられています。海洋汚染によって水質が悪化すると、水産業や住環境にも悪影響を及ぼすでしょう。海外のレポートによると、1950年以降に世界で生産されたプラスチック83億トンのうち、7割を超える63億トンがプラスチックゴミとして廃棄されたとのことです。また、回収されたプラスチックも、約8割が埋め立てされるか海洋に投棄されていて、その量は今後も増え続けると予想されているのです。2050年には海洋中のプラスチックゴミの量が魚の量を上回るという驚くべきデータも報告されています。


このように、プラスチックゴミ問題は深刻な環境問題の一つです。これ以上、環境へダメージを与えないために、解決に向けたアクションが急がれています。


 NAGASEのお客様である自動車用ランプを製造するメーカー様においても工程内端材として多くのプラスチックを排出しており、自動車ランプ部品のサーキュラーエコノミー構築はお客様にとっても、長年に渡りプラスチック製品を取り扱ってきたNAGASEにとっても大きな課題でした。

取り組み内容

工程内端材を用いた再生プラスチック生産スキーム構築への挑戦

NAGASEではプラスチック製品に対するサーキュラーエコノミー実現のため、お客様とリサイクル技術を有するパートナー企業様を繋ぐネットワークの構築に注力しています。


NAGASEはお客様への長年に渡るプラスチック製品(バージン材)の販売実績、並びに社内へ蓄積された知見に基づき、お客様の工程内で生産されたプラスチックを主成分とするランプ部品の内、ロットアウトとなった製品を回収させていただき、回収した廃プラスチックに対し、パートナー企業様、物流業者様と協議を重ね、回収した廃プラスチックの粉砕や蒸着されたアルミを除去するケミカル洗浄処理、洗浄処理した端材のリペレットといった、廃プラスチック回収後に再生プラスチックとして再利用する為のスキームの構築を目指しております。

自動車ランプ部品のサーキュラーエコノミー構築スキーム

また、リペレットした再生プラスチックを再び自動車ランプ部品として使用いただくため、NAGASEとしての成立性の検証が欠かせません。


 NAGASEグループではナガセアプリケーションワークショップというプラスチックの評価分析、用途開発から、最終製品の処方開発までを行うことができる設備と専門技術スタッフを有し、更に技術開発機能、インキュベーション機能、技術研修機能を担っている組織を有しています。


 このナガセアプリケーションワークショップの力を活用しながら再生プラスチックの成立性検証を実施、現在はお客様へ検証した再生プラスチックをお戻しして再び自動車ランプ製造にご使用いただくことを目標にトライアルを重ねております。


 このように長年積み重ねてきた自動車部品に対する知見とお客様より頂いた信頼を糧に、モビリティ業界におけるサーキュラーエコノミーの実現に向け、NAGASEはこれからも尽力していきます。