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パナソニックホールディングス株式会社およびEasyMile社と共創する自動運転牽引車両と遠隔操作を用いたプラットフォームサービスの提案

少子高齢化や2024年問題などに起因する労働力不足を始めた物流業界における諸課題に対してNAGASEではパナソニックホールディングス株式会社やEasyMile社と共に自動運転牽引車両と遠隔操作技術を活用した課題解決に挑みます。

イシュー

物流業界におけるドライバー不足

日本では少子高齢化が進み長期の人口減少過程に入っており、総務省の統計では2050年には生産年齢人口は2021年比で約30%減少すると見込まれています。そしてこの生産年齢人口の減少により深刻な労働力不足が起こることが予想されます。特に物流業界ではこの問題は既に顕在化しており、大きな課題となってきています。また、2024年に施行される働き方改革関連法の影響により更なるドライバー不足が見込まれ、2030年には輸送能力が需要に対して20%不足するとの試算もあり「2024年問題」して、今後の物流業界において最も大きなイシューとなっています。

取り組み内容

パナソニックホールディングス株式会社およびEasyMile社との共同での自動運転牽引車両と遠隔操作を用いたプラットフォームの提案

このような物流業界、特に工場や物流センター内における労働力不足・ドライバー不足といった問題解決のソリューションとして、NAGASEではパナソニックホールディングス株式会社(以下、パナソニックHD)、およびEasyMile社と共同で自動運転牽引車両と遠隔操作を用いたプラットフォームサービEasyMileの提案を行っております。


EasyMile 社は2014年にフランス・トゥールーズで創業し、現在はアメリカ・デンバー、シンガポール、オーストラリア・アデレードの計4ヵ所に拠点をおく、世界有数の自動運転ソフトウェアのスタートアップ企業であり、この自動運転牽引車両「TractEasy」はEasyMile社が設計・開発および製造を担っています。


ここでいう「自動運転」とは、あらかじめマッピングされた固定の運行ルートを継続走行する段階を指します。走行時には安全確保のためにLiDAR(高度レーザーセンサー)やカメラが作動し、これまで運転者であった人間の目と耳の代わりとして機能します。TractEasy にも車両前方、天井など5ヵ所にLiDAR が装備され、200メートル先の建物や、近距離の50メートル以内にいる人や車両、障害物などをスキャンし、それらを避けるなどの判断を下します。センチメートル単位の位置特定技術や、車両とインフラをつなぐV2X 無線通信、予測制御、交差点・横断歩道の判断などのナビゲーションシステムも組み込まれています。


この遠隔管制にはパナソニックHDが開発したシステムX-Area Remote(X-Areaクロスエリアは同社の登録商標)を搭載し、走行路とは離れたオフィスからの遠隔操作も実験しています。自動走行が不可能な障害物に遭遇した場合など、必要に応じて人間が遠隔監視・操作を行ない、ダウンタイムの発生を抑えることができるオペレーションも実現しました。

遠隔操作の様子

日本国内でも工場やPeach Aviation株式会社(以下Peach社)の空港において大規模な実証実験を重ね、TractEasyの安全性や走行能力、システムの操作性や実用性の検証を重ねています。

飛行場での実証実験

日本では現在、公道でレベル3相当(条件付き自動運転)の自家用車の走行を可能とする改正道路交通法と改正道路運送車両法が2020年4月に施行され、2021年11月には走行可能な車種がバスやトラックにも拡大されるなど、改正は順次進んでいます。


自動運転車両の世界は今後さらに加速して進化します。NAGASEもさらなる実証実験を重ね、工場や空港、港湾における貨物輸送や物流現場の人員不足、作業負担の軽減を実現するサービスをお客様にご提案、今後の物流業界の課題解決のために取り組んでまいります。