電気自動車を運用する上で消費エネルギー効率を高めることはとても重要ですが、エアコンの消費エネルギーの削減も重要なファクターです。この課題を解決するために独Muller Textiles社と提携してお届けするリサイクル可能なメッシュ素材3meshの活用により通気性の良いカーシート設計に貢献。革新的な製品をお客様の使用しやすい形状でお届けすることで電気自動車におけるエネルギー効率向上に寄与します。
世界的に環境への意識が高まる昨今、自動車産業においても温室効果ガスの排出削減策としてガソリン車から電気自動車へのシフトが推進されています。この兆候に伴い各所で電気自動車の開発が加速的に進行する中、電気自動車の性能として航続距離の改善は最も注目されている要素の一つです。電気自動車を一度の充電で可能な限り長く走行させるためにエネルギーを効率的に利用する自動車の設計が求められており、これを実現するために自動車部品はあらゆる切り口で進化が求められています。
カーシートもその限りではなく、シートは人体に接する部品であることから、特に暑い時期においてエアコンの使用によるエネルギー消費量を削減するために様々なアプローチが考案されています。例として座席に使用されている素材を通気性の良いものを採用する、シートに内蔵されたファンで座面と背面から空気を出し入れすることにより座席を冷却する(ベンチレーションシステム)などの開発が行われ省エネルギーで人体に暑さを感じさせない開発がなされています。
また、シート部品に従来用いられるポリウレタンはリサイクルする為の難易度が高く廃棄処理せざるを得ないケースも多くみられます。
このような要件から今後の電気自動車に搭載される座席は快適性を担保しつつ可能な限りエネルギーを効率的に運用するために通気性が良く、更には製品としてリサイクル性を上げるような設計が望ましいといえるでしょう。
NAGASEでは、カーシートの通気性を向上させるベンチレーションシステムを採用したシート(ベンチレーションシート)の搭載が増える将来を見据え、ドイツに本社を置く、Muller Textiles社(以下Muller社)と共にポリエステルを主成分とした通気性の良い素材の技術開発を推進しております。
Muller社の開発した「3mesh」はシート製品において従来ウレタンが使用されているような箇所に使用されることを期待したポリエステルファイバーからなる編み物(メッシュ型)素材です。メッシュ型素材であることからベンチレーションシートの中に設置されたファンから発生する風をより効率よく人体に伝えることができ、通気性の良いベンチレーションシートの設計に貢献することができます。
更に、ポリエステルを主成分に有することから従来リサイクルの難易度が高いといわれているウレタンとは異なり、シート製品としてのリサイクル性を高めることにも寄与することができます。このような特性から先進的なカーシート向けの素材として3meshは欧州、北米、アジアの完成車メーカー様を中心に採用が拡大する製品です。
NAGASEではお客様のご要望に応じて欧州、中国、もしくは北米で生産された3meshを指定された形状に裁断、カットパーツとして供給する体制を整えています。また、関連するパートナー企業様と提携することにより、3meshと表皮を一体化した形状でご提供するスキームを構築しております。
今後益々の注目される電気自動車において、エネルギー効率の向上という切り口でNAGASEは電気自動車の性能向上、並びに環境に低負荷な社会の実現に向けてパートナー企業様と共に開発を進めてまいります。