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女性生活者のインサイトから考える次の自動車開発テーマ|生活者の声を商品・技術テーマへ変換する視点とは

自動車開発に女性生活者の視点を取り入れることで、デザインにとどまらず、使いやすさや安全性に関わる新たな課題が見えてきます。本記事では、生活者の声を開発可能なテーマへ変換し、素材・技術による新しい価値提案につなげるアプローチをご紹介します。

イシュー

自動車開発では、顧客の製品コンセプトや求められる性能を踏まえ、素材・部品・技術を組み合わせながら、新しい価値を提案する機会が広がっています。

その際に素材や技術から「何ができるか」を考えるだけでなく、その先にいる生活者の使い方や課題まで視点を広げると、まだ顕在化していないニーズや新しい開発テーマが見えてくることがあります。

NAGASEがコーポレートベンチャーキャピタルとして資本業務提携するFlora株式会社は、女性の健康や生活に関するサービスを通じて生活者のニーズを捉え、商品・サービス開発へつなげる支援を行っています。

今回はその斬り口の一つとして、「女性生活者」に着目します。

女性という視点を加えることにより何が見えてくるのか、さらにそこからどのように開発テーマへつなげていくのか、NAGASE MobilityとFloraが自動車開発において可能にすることも含めてご紹介します。

取り組み内容

女性視点は、デザインだけでは捉えきれない

「女性向け」というと、色やデザイン、見た目に目が向きがちですが、商品開発で重要なのは、身体特性や利用シーンの違いから生じる使い方や負担まで捉えることです。

研究や商品開発に性差・ジェンダーの視点を取り入れ、新しい発見につなげる「ジェンダード・イノベーション」という考え方があります。

その代表例が、自動車のクラッシュテストです。

衝突試験では50パーセンタイルの男性を模したダミーが長く標準とされ、女性用ダミーの使用開始は2011年でした。

その女性用ダミーも、小柄な成人を表すモデルが中心で、女性特有の身体構造を十分に反映していないことが指摘されています(出典:Gendered Innovations)。

米国NHTSAが2026年に公表した研究では、150の傷害モデルのうち26%で、女性の傷害リスクが男性より統計的に有意に高いと報告されています( 出典:NHTSA2026)。

この事例が示すのは、誰を「標準的な利用者」として設計・検証するかによって、見える課題が変わるということです。

女性視点を取り入れることは、表面的な嗜好に合わせることではなく、これまで十分に捉えられてこなかった身体特性や利用条件まで開発の対象に含めることだと考えられます。

さらに、「女性」の中にも異なる利用実態がある

公開統計では、子育て世代の「送迎」を目的とした1日当たりの移動回数は、女性が男性の約10倍にのぼります(出典:国土交通省「令和3年度 全国都市交通特性調査」)。

これには通勤に加え、買い物、送迎、介護など、生活に伴う移動を女性が担ってきた実態がデータに表れています。

この数字は役割のあり方を論じるものではなく、社会の中で実際に生じてきた利用実態の差です。

商品開発では、この差を利用条件として捉えることに意味があります。

利用シーンが違えば、車内で行う動作や持ち物、同乗者への配慮も変わります。

体格、妊娠、月経や更年期に伴う体調変化(体感温度の変化、腰への負担、眠気、手のこわばりなど)といった、身体やライフステージによっても、運転者のシートや空調への評価は変わります。

まず女性を含む多様な利用者へ視野を広げ、さらに身体特性やライフステージ、利用シーンまで細かく見ることが肝要であり、この違いの中に、平均値では捉えにくい開発テーマが隠れています。

女性起点の発見は、より広いユーザーの価値につながる

女性生活者を起点に課題を探ることは、対象市場を女性だけに絞ることとは異なります。

体格差から生じる操作性、子どもや荷物を伴う移動、身体状態の変化を見ていくと、小柄な人、高齢者、子育て世帯など、別の利用者に共通する課題も見つかります。

また、車両性能の差が顧客から見えにくくなる中で、日常的に触れる部分の使いやすさは、商品評価を左右する接点になっています。

毎日の乗降、収納、空調、シート操作は、所有期間を通じて繰り返し体験されます。

こうした課題は、最終的に表皮材、樹脂、加飾、遮音・断熱、機構部品といった要素の選択に行き着きます。

生活者の課題を具体化することは、素材や部品の提案テーマを具体化することです。

ユーザーの声を開発可能なテーマへ変換するには?

ユーザーの不満や要望は、開発テーマを考える重要な材料です。

一方、その声をそのまま仕様に置き換えるだけでは、背景にある本当の課題を捉えきれないことがあり
ます。

たとえば「収納が使いにくい」という声に対して、何を収納するのか、いつ出し入れするのか、運転中なのか、乗降時なのか、停車中なのかによって、必要な仕様は異なります。

さらに、既存の収納が使われない理由を、位置、深さ、開閉方法、視認性、衛生面 対象ユーザーと利用シーンを設定し、日常行動や身体的・心理的な負担を調べ、潜在的な不便まで掘り下げる。

このプロセスが、生活者の声を企画テーマへと変えていきます。

Floraが向き合ってきた、女性生活者のインサイト

Floraは、累計3 0 万ダウンロードを超える女性ヘルスケアサービスを通じ、身体の変化やライフステージをはじめ、日常生活の中にある言語化しにくいニーズに向き合ってきました。

もう一つの強みが、集めた情報を企画につながる仮説へ変換するアプローチです。

データサイエンスを専門とする創業者を中心に、定量データ、ヒアリング、社会背景など複数の情報から、生活者像や課題を構造化しています。

自動車関連企業とのプロジェクトでも、市場・社会背景の調査から、女性ユーザーへのリサーチ、ペルソナやカスタマージャーニーの作成、課題仮説の検証、技術・開発メンバーとの議論まで支援しています。

とくに「ペルソナ・カスタマージャーニーが具体的で理解しやすい」「女性領域の専門性を踏まえて検証されている」といった評価を得ています。

NAGASE MobilityとFloraで実現する、生活者起点の商品・サービス開発

Floraが生活者の行動や潜在ニーズを捉えて企画テーマへ変換する一方、NAGASE Mobilityは、材料、部品、加工技術などの幅広いネットワークを持っています。

両社の強みを掛け合わせると、「この素材・技術で何ができるか」という視点に、「生活者のどのような課題を解決できるか」という視点が加わります。

まだ仕様になっていない課題を、次の商品・技術テーマとして検討できます。

「次に顧客へ提案するテーマを探したい」 「生活者調査からコンセプト検証まで進めたい」

このような課題をお持ちの場合は、NAGASE Mobilityまでお問い合わせください。

※本WEBページに掲載されている画像の制作に生成AIを使用しています。