TDI
中国TDI価格(ICIS/LOW)は、3月はUS$2,700/MTから下落を始め、4月末に2,400USD/MTとなった。TDIは欧米を中心にタイト感が継続している。米国においては、PPGのタイト感がより深刻であり、供給制限を受けているユーザーもいる。
また、物流費上昇しておりアジア域から欧米へのコンテナ荷動きが非常にタイトだ。その結果、中国、ASEAN市況は下落しても、欧州市況が高止まりする傾向となっている。
日本の通関統計によると、3月度に中国、韓国、サウジアラビアからの計1,573MT程のTDI輸入が確認された。欧米とアジア価格のギャップは解消されたかにみえるが、自動車を中心とした各業界の需要回復から、TDIタイト感は続くと思われる。
MDI
MDI市況はアメリカを襲った記録的な大寒波の影響により
DOW(34万トン/年、Freeport)、COVESTRO(33万トン/年、Texas),BASF(29万トン/年、Geismar)がフォースマジュール宣言により相次いで稼働を停止したことで2月より価格が急騰し、3月中旬には中国で$3,300/MT,ASEANで$3,100/MTまで上昇したが、BASF(29万トン/年、Geismar)が3月3日にフォースマジュール宣言の解除を発表し、中国ではユーザーの抵抗もあり3月中旬以降価格は徐々に下落傾向となった。DOW(34万トン/年、Freeport),COVESTRO(33万トン、Texas)については依然フォースマジュール宣言は解除されていないが、4月に入り中国、ASEAN共に需要はあまり芳しくなく、需給バランスは徐々にタイト感が解消されてきた。その結果中国では$2,400/MT,ASEANでは$2,800/MTまで価格は下落した。5月以降も需給バランスが再びタイトになることは考えにくく、価格は同レベルもしくは緩やかに下落傾向で推移すると思われる。
PPG
2021年3月の中国国内PPG価格は、最終的にはUS$2,650/MTとなった。米国テキサス州の大寒波の影響により原料のプロピレン、プロピレンオキサイドの価格は引き続き上昇したが、PPG価格にはそれほど反映されなかった。原料価格が上昇している中、引き続き需要期でもあるので歴史的最高値の中、今後もPPG価格は上昇が予想される。
PO
2021年3月の中国国内PO価格は、最終的にCN¥19,450/MTまで上昇した。米国テキサス州の大寒波の影響により、米国POは非常にタイトな状況が続いている。米国からPOを輸入している中国は、それに伴いPOの玉不足に陥っている。また、中国POメーカーも定修に入るなど、さらにPO不足に拍車をかけ、中国国内市況はCN¥19,450/MTまで上昇した。4月には、徐々に供給タイトな状況が解消に向かい、市況は下落することが予想される。