市況レポート6月報

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 TDI

中国TDI価格(ICIS/LOW)は、3月はUS$2,700/MTだったが下落を始め、5月末に2,000USD/MTとなった。市況はアジアに於いて下落傾向が続いている。

 これは物流費上昇によりアジア域から欧米へのコンテナ荷動きが非常にタイトであることも要因だ。その結果、ASEANと欧州市況でギャップが発生している。

 日本の通関統計によると、3月度に中国、韓国、サウジアラビアから計968MT程のTDI輸入が確認された。中国からの輸入数量は前月比で▲80%減だったが、依然として価格は200円を切っており市況より安価だ。

MDI 

MDI市況は2月にアメリカを襲った記録的な大寒波の影響によりDOW,COVESTRO,BASFが米国プラントにて相次いでフォースマジュール宣言を行い稼働を停止したことで2月から3月にかけて価格は急騰し、中国、ASEANで3月中旬には$3.000/MTを超えるレベルまで上昇したが、BASF(29万トン/年、Geismar)が3月3日にフォースマジュール宣言の解除を発表し、4月に入って中国、ASEAN共に需要があまり芳しくなかったこともあり需給バランスは徐々にタイト感が解消され、4月末には中国で$2,400/MT,

ASEANで$2,800/MTまで価格は下落した。さらに5月に入っても需要の低迷は続き需給バランスのタイト感はなく、中国で$2,200/MT,ASEANで$2,400まで価格は下落した。6月以降も急激な需要の回復は見込まれず、需給バランスが再びタイトになる可能性は低く価格は緩やかに下落傾向で推移すると思われる。

PPG 

2021年5月の中国国内PPG価格は、最終的にはUS$2,550/MTとなった。PO価格は下落基調にあったが、PPG価格にはそれほど反映されなかった。PPG需要もインドを中心に下落基調にあり、ASIAのPPG価格は5月初旬に比べ下落基調にあったため、6月に入れば中国PPG価格はASIAのPPG価格と同様に市況は下落していくことが予想される。

PO 

2021年5月の中国国内PO価格は、最終的にCN¥16,200/MTまで下落した。米国テキサス州の大寒波の影響も次第に緩和されつつある。また、中国POメーカーも稼働率が好調を維持している中、インドでCOVID-19の感染者が非常に多くロックダウン状態となり、インドからのポリオール需要低迷につながり、PO需要の下落を招き市況が下がった。6月もプラント稼働率が好調を続け、インドを中心にマレーシアなど東南アジアでもロックダウンが長引けば需要はさらに低迷し、6月は5月より市況は下落していくと想定される。

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