市況レポート10月報

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TDI 

8月、9月の中国TDI価格(ICIS/LOW)はUS$2,000/MT付近を付けた。世界的にTDI需要は芳しくないようだ。欧州では、供給はバランスしているようで、冬季の需要増と定修予定があることからタイト感が増すことが見込まれている。欧州TDI価格は、じりじりと中国・ASEAN価格に近付いている。日本の通関統計によると、8月度に中国、韓国から計1,445MT程のTDI輸入が確認された。中国からの輸入量が約9割以上を占める。三井化学SKCポリウレタン株式会社は、10月1日納入分よりTDI類を20円/㎏値上げを打ち出しており、海外玉の積極的な攻勢と国内価格との値差から、輸入玉が増えそうな見込みだ。

MDI 

MDI市況は4月以降中国、ASEANで需要の低迷が続いたことから、需給バランスは徐々にタイト感が解消され、中国、ASEANで$2,200/MTレベルまで価格が下落したが、7月に入りCOVESTROのドイツ(40万トン/年、Brunsbuttel)で製造装置のトラブルによりフォースマジュール宣言が行われたことや、万華化学(110万トン/年、Yuntai)で7/10から約1か月の定修に入ったこともあり、北米寒波影響によるMDI設備停止の継続と併せて、需給バランスのタイト感が増し、中国、ASEAN共$2,600/MT程度まで価格が上昇したが、8月に入り8/10に万華化学の定修が終了したこと、需要があまり芳しくなかったこともあり需給バランスが徐々に安定した為、中国で$2,300/MT,ASEANで$2,450/MTまで価格が緩やかに下落した。 8月中旬以降BorsodChemの定修等もあり、9月に入ると中国で$2,600/MT,ASEANで$2,500/MTまで価格は再び緩やかに上昇した。10月以降もしばらく安定した価格レベルで推移すると思われる

PPG 

2021年9月の中国国内PPG価格は、最終的にはUS$2,300/MTとなった。PO価格上昇に伴いPPG価格も上がった。COVID-19によるロックダウンの影響により、東南アジアを中心に需要が低迷していたので横ばいの価格を維持していた。今後需要期に差し掛かりつつあり、環境規制によりさらにPPGのタイト感も増すので、10月の中国国内価格はPO同様に上昇するが予想される。

PO 

2021年9月の中国国内PO価格は、最終的にCN¥17,600/MTとなった。9月初旬はCN¥15,600/Mであったが中旬からCo2排出量削減を理由に電力使用量の制限がかかり、POプラントの稼働率も低下したことにより、Poのタイト感が増し、市況が上がった。この環境規制がいつまで続くかわからない中、需要期に差し掛かりつつあるので今後、中国POの市況が徐々に上がっていくことが予想されるであろう。

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