TDI
ASEAN、中国国内では大幅上昇、米州では高止まり
2月の中国TDI 価格 (ICIS/ は大幅に上昇し、US$2,700/MT 付近を付けた。 中国 国内で春節が終わり、需要の回復と共に、川上の原油、トルエン価格の上昇が加わり、 TDI 価格は上昇している 。 中国での価格上昇に伴い、 ASEAN(ICIS/LOW についても、$ 2,800/MT 付近と大幅に価格が上昇した。欧州、米国でも、原料やユーティリティコストの高騰が継続しており、引き続き TDI 価格は 高い価格帯で推移している。今後は、ロシアとウクライナの紛争影響もあり、原油価格が上昇することから、TDI の価格も高値で推移すると思われる。日本の通関統計によると、1 月度に中国から計 336MT程の TDI 輸入が確認された。全輸入量の内、中国からの輸入量が 100 %を占めた。国内サプライヤー大手 2 社(三井化学、東ソー)が値上げを打ち出している中、輸入玉も一定の数量が入ってくるものの、数量は昨年秋頃( 10 月1,253MT 、 11 月 1,326MT )と比較し、落ち着いている。
MDI
MDI市況は、 2021 年 8 月中旬以降、 BorsodChemの定修等もあり、 9 月に入ると中国で$ 2,600/MT 、ASEAN で$2,500/MT まで価格は再び緩やかに上昇した。 10 月も世界的にタイトな状況は続き、中国で2,750/MT 、 ASEAN で$ 2,800/MT まで上昇したが、需要は弱含みな状況で、 11 月には中国で2,450/MT 、 ASEAN で$ 2,650/MT と緩やかに下
落した。 11 月下旬~ 12 月にかけて、万華化学寧波工場にて 2 ラインの定修が相次いで行われたが、需要が弱含みでも需給バランスがタイトになることはなく、中国では$ 2,450/ MTでステイであったが、 ASEAN では$ 2,500/ MTと若干下落した。年が明け、1 月に入ると春節も控え、需要は弱含みで推移したが、価格は下落することなく、中国では2,700/MT 、ASEAN では$ 2,600/MT まで上昇した。万華化学寧波工場の 2 ラインの定修は 1 月中に終了したが、春節明けの需要は堅調で、中国、 ASEAN 共に 2 月末の価格は$ 2,650/MT となった。この状況が続けば、 3 月以降も価格が下落傾向になることは考えにくく、同レベルで推移する可能性がある。
PO・PPG
PPG
2022年 1 月の中国国内 PPG 価格は、 最終的にはUS 1,600/MT となった。春節前ということもあり需要が減少、また COVID 19 の影響でバイヤーの買い控えも発生し市況は下落した。春節が終われば例年需要は戻り市況は上昇するが、中国国内でのパンデミックの影響により、市況が横ばいに推移する可能性も考えられる。従って、 PPG 価格は横ばいもしくは若干上昇する可能性が高いと予想される。
PO
2021年 12 月の 中国国内 PO 価格は、最終的にCN ¥ 11,000/MT となった。春節に近づくにあたり徐々に市況は下落した。COVID 19 によるパンデミックで川下原料プラント閉鎖なども重なり、需給バランスが崩れ、市況は下落した。春節が終われ
ば川下需要も回復すると考えられるが、中国や東南アジアを中心に COVID 19 の影響が続き需要が回復しなければ、 2 月も市況は横ばいに推移することが考えられる。