BASF社は2022年4月11日に第一四半期の速報値を発表しました。この間、エネルギーおよび原材料価格の大幅な上昇に加え、サプライチェーンの混乱に見舞われましたが、売上高は上昇し、231億ユーロとなりました。特に化学部門と材料部門における価格の上昇が主な要因です。
特別損益前営業利益(EBIT)も増加し、28億ユーロとなりました。これは主に、化学品分野の大幅な収益増加によるものです。
純利益は、前年より5億ユーロ減の12億ユーロとなりました。これは、株式保有による比例配分を行っているウィンターシャル・ディーア社の減損によるものです。これらの減損は、ウクライナ戦争とそれに関連する政治的影響によって引き起こされたものです。
営業活動によるキャッシュフローはマイナス2億9000万ユーロとなり、前年の同時期より2億3500万ユーロの改善となりました。この増加は、投入コストの上昇と売上高の急増により正味運転資本にかかる現金が増加した一方で、営業成績が改善したことに起因しています。
ウクライナ戦争のさらなる進展と、それがエネルギーや原材料の価格や入手性に及ぼす影響を予測することは不可能ですが、BASFグループでは2022年事業年度のマクロ経済を前提にして以下の通り見通しを立てています。
- 売上高は740億ユーロから770億ユーロの間
- 特別項目計上前EBITは66億ユーロから72億ユーロの間
- 総資本利益率(ROCE)11.4~12.6パーセント
- CO2排出量は1,960万トンから2,060万トン