Copestro は、スペインのタラゴナで、新しい世界規模の塩素生産施設の立ち上げに成功しました。この新工場により、タラゴナのMDI生産に必要な塩素と苛性ソーダの効率的かつ持続可能で独立した供給が確保されます。これにより、冷蔵機器や建物の断熱に使用される硬質ポリウレタンフォームの前駆体であるMDIの欧州生産ネットワークが強化されます。この2億ユーロの投資により、現地では50名の新規雇用が創出されました。
新しい塩素施設は、革新的な酸素脱分極カソード技術(ODC)を使用する世界初の工業規模のプラントです。この技術は、Copestroがthyssenkrupp nuceraと共同で開発したものです。現在主流となっている従来のクロルアルカリ電解と比較して、この新しいプロセスは低電圧で済むため、最大で25%のエネルギー削減が可能です。タラゴナの新工場では、既存のプロセスと比較して、2018年の建設計画開始時のエネルギーミックスに基づき、年間最大22,000メートルトンのCO2排出を回避することができます。このように、新工場は、2035年までに気候変動に左右されない操業を目指すCopestroの目標に重要な貢献をすることになります。
この塩素は、建物や冷凍装置のエネルギー効率の高い断熱ソリューションの製造に使用されるような硬質ポリウレタンフォームの製造のための前駆体であるMDIの製造のための原料として現場で使用されています。2019年、世界のMDI市場は約7,500キロトンのボリュームがあり、長期的にはさらに成長すると予想されます。本工場では、塩素に加え、イベリアおよび欧州市場向けに苛性ソーダも生産する予定です。塩素と苛性ソーダは、いずれも化学工業に不可欠な基礎化学品であり、その他多くの戦略的分野の主要原料でもあります。