ドイツの化学メーカーBASF SEは、年間5億ユーロのコスト削減を目標とし全世界の従業員の約2%にあたる2,600人を解雇する予定です。また、世界経済の悪化を理由に自社株買いプログラムも前倒しで打ち切ると付け加えました。
BASFは、2つのアンモニア工場と関連する肥料施設を含む多くの工場を閉鎖する予定で、これにより、ドイツの主要工場であるルートヴィヒスハーフェンで700人の雇用が削減されます。
欧州の収益性と競争力は、安価なロシア産ガスがない現在、過剰な規制、遅くて官僚的な許可プロセスによって、大きな負担となっています。 BASFのガス代は、消費量が35%減少したにもかかわらず、昨年は2021年比で22億ユーロ(約23億円)急増となりました。
BASFは2023年の予想も発表し、2022年に12%減益の69億ユーロとなった後、調整後の金利・税引き前利益は54億ユーロにも上るとのことです。
同社は、特に中国での回復効果により低迷した上半期に続き、下半期の市場環境の改善を見込んでいます。
BASFは先月、ロシアから撤退するWintershall Deaエネルギー事業の価値について、2022年に73億ユーロの評価減を発表しました。その時の予定外の発表によると、そのためにBASFは速報値を引用して13億8000万ユーロの当期純損失となったのですが、金曜日に同社は減損損失が当初の懸念よりも少なかったため、当期純損失を6億2700万ユーロに下方修正となりました。