中国石油化工集団公司(HKG:0386、以下シノペック)の子会社である海南巴黎化学新材料有限公司は、中国海南省で年産17万トンに達するスチレンブタジエンコポリマー(SBC)プロジェクトの生産を開始しました。
これによりシノペックは、世界最大のSBCプラントの生産能力を持つことになります。巴黎新材料とシノペック海南精錬化工は、海南巴黎プロジェクトに19億2400万元(2億7974万米ドル)を投資しています。同プロジェクトのSBC工場は、年間17万トンのSBSおよびSEBS製品を生産しており、そのうちSBS製品は12万トン、SEBS製品は5万トンです。工場には、精製、重合、合体、リサイクル、助剤調製、後処理など13のユニットと、それを支える生産施設や公共施設があります。
TPE(熱可塑性エラストマー)は、高温で可塑化でき、常温でゴム弾性を持つ共重合体の一種で、SBCはTPEの一種で、製品にはSBS、SEBS、SIS、SEPSなどがあり、靴、アスファルト改質、樹脂改質、接着剤、食品包装、医療機器、スポーツ機器、自動車、家電などに広く使用されています。
本プロジェクトでは、シノペックが独自に開発したSBSとSEBSのフルソリューションセットを使用し、顧客の製品カスタマイズのニーズを満たすために、さまざまなグレードと性能のSBCを作成できるクリーンな製造方法を含みます。一方、海南精錬化工のスチレンとブタジエン、巴黎新材料の新技術、海南自由貿易港を利用して、原材料と輸送コストを最小限に抑え、産業チェーンを拡大して収益を最適化します。本イニシアティブでは、発展途上の欧州、東南アジア、南アジア市場に向けてSBC製品を輸出する予定です。
シノペックは、50年以上にわたって中国における合成ゴムの研究開発を進めてきました。1970年代、燕山石油化学研究所はブチルリチウムの調製とSBSの重合技術を開発しました。シノペックは、環境にやさしい技術で新しいSEPS製品を工業生産できる、世界で3社、中国では唯一の企業のひとつです。Baling New MaterialのSEPS施設は、年間生産能力20,000トンで、2017年8月に生産を開始しました。
SBCの独占技術と独自の知的財産権により、シノペックは現在、SBC技術および製品の開発において、技術的に世界をリードする立場をとっています。