旭化成は、リチウムイオン電池(LIB)用セパレータ「Hipore™」の塗工設備を増強します。米国、日本、韓国の旭化成LIBセパレーター既存工場に新たな塗工ラインを設置し、2026年度上期から順次稼働を開始する予定です。
旭化成は、ポリオレフィン微多孔膜をベースフィルムとする湿式法LIBセパレータと、ベースフィルムにセラミックなどのコーティングを施したコーティング膜セパレータの2種類を供給しています。セパレータ事業は、旭化成の2024年度を見据えた中期経営計画「Be a Trailblazer」において、次なる成長を牽引する「10の成長ギア(GG10)」事業の一つとして位置づけられており、電気自動車用途の大幅な需要増に対応するため、積極的な能力増強投資の対象となっています。
設備増強の概要は以下のとおりです。
- 投資額:約400億円
- 所在地:米国ノースカロライナ州シャーロット、日本宮崎県日向、韓国京畿道平澤
- コーティング能力:約7億m2/年
- 稼動予定:2026年度上期より順次稼働予定
旭化成は、特に電気自動車生産の大幅な拡大が予測される北米での需要増に対応するため、自動車用LIBセパレータの供給インフラを構築するための投資を継続します。今回発表した拡張により、旭化成のLIBセパレータの塗工能力は約12億m2/年となり、電気自動車170万台分の電池に塗工セパレータを供給することが可能となります。これにより、北米、日本、韓国において、高機能で耐久性に優れた車載用ウェットプロセスセパレータによる強固なLIBサプライチェーンの構築に貢献します。旭化成は、北米および日本市場向けの供給インフラをさらに強化するため、Hipore™膜の製造設備の新設など、積極的な投資を検討していきます。