TDI
ASEAN、中国にて価格上昇
2月の中国TDI価格(ICIS/LOW)は、あまり積極的な成約はなされなかったものの、引き続きサプライヤーの供給がタイトな状況が続いている中で、春節明けに需要が旺盛になった事に伴い上昇に転じた。中国国内価格(ICIS/LOW)についても、春節明けに需要の回復が見られた為、CN\16,800/MT付近となり、前月末比でCN\400/MT上昇した。
ASEAN価格(ICIS/LOW)についても、中国同様に春節明けに在庫を厚くする需要家が増えた為、2月末時点で前月比+$150/MT上昇した。
一方、北米においては、需要が旺盛では無い中、価格の変動は見られなかった。欧州においても、引き続き需要の停滞状況が続いており、市況価格に変動は見られていない。
日本の通関統計によると、1月度の中国からのTDI輸入量は計1292MTとなり、前月比では増加した。全輸入量の内、中国からの輸入量が92%を占めている。海外メーカーにとって日本市場向けは価格面で魅力的ではない状況は続いており、輸入される数量は今後も限定的と推定される。
MDI 2024年2月 中国、ASEAN共に春節明け価格上昇
MDI市況は、昨年12月以降中国国内でCovestro及びWanhua Chemicalでの定修が継続され、供給がタイトな状況が続いたにもかかわらず、需要が芳しくなかった為、クルードMDI価格、ピュアMDI価格共に中国、東南アジア、北東アジアで全く変動がなく、この状況は春節前まで継続された。
春節後は供給がタイトな状況は変わらない一方、中国で各ユーザーが稼働を開始したこともあり、クルードMDI価格は、中国でUS$1,900/MT、東南アジアでUS$1,950/MTまで上昇した。また、ピュアMDI価格も、中国でUS$2,300/MT、北東アジアでUS$2,250/MTまで上昇した。
PPG
2024年2月の中国国内PPG価格は、US$1,080/MTとなった。引き続き中国国内向け需要はあまり芳しくなく、東南アジア向けも同様に需要が回復していない。中国の金融不安と春節休暇のため、値動きは小康状態となっている。川下需要の低迷から、PPG市況は横ばいに推移した。PO価格が高騰することは考えにくく、引き続き中国、東南アジアでウレタン需要が回復しなければ、PPG価格も横ばい、もしくは徐々に下落することが予想される。
PO
2024年2月の中国国内PO価格は、最終的にCN¥9,000/MTとなった。5月初旬に中国POメーカーの一時的なプラント停止があり、中国国内価格はスポット的に上昇したが、川下需要が低迷しているため、市況は徐々に下落した。供給面では、潤沢に玉が余っているわけではないが、春節もあり2月は横ばいで推移、3月も同様に横ばいに推移することが予想される。