住友化学は2024年12月12日、CO2をメタノールに変換するパイロットプラントの建設を完了し、稼働を開始したと発表しました。このプラントは、日本国内の愛媛県新居浜市に設置され、CO2のキャプチャーアンドユーティライゼーション(CCU)技術を採用しています。住友化学は、2028年までに商用生産を開始し、今後10年内にこの技術を他社にライセンス供与する予定です。
住友化学は、幅広い製品に使用できるメタノールを生産するためのCO2利用など、いくつかの新しいCCUプロセスを開発しています。従来のCO2メタノール変換プロセスでは、反応の可逆性による生成率の低さや、副生成物である水の発生による触媒劣化など課題がありました。
住友化学は、島根大学との共同開発により、内部凝縮反応器(ICR)を用いてこれらの課題を解決したとしています。同社によると、ICRは従来の技術では不可能だった、反応器内でのメタノールと水の凝縮・分離を可能にし、生成率向上、装置小型化、高エネルギー効率を実現できるといいます。また、触媒劣化も防止できると期待されています。