市況レポート2024年4月

・MDI
2024年3月 中国、ASEAN共に需要一段落
MDI市況は、昨年12月以降中国国内でCovestro及びWanhua Chemicalでの定修が継続され、供給がタイトな状況が続いたにもかかわらず、需要が芳しくなかった為、クルードMDI価格、ピュアMDI価格共に中国、東南アジア、北東アジアで全く変動がなく、この状況は春節前まで継続された。
春節後は供給がタイトな状況は変わらない一方、中国で各ユーザーが稼働を開始したこともあり、クルードMDI価格は中国でUS$1,900/MT,東南アジアでUS$1,950/MTまで上昇した。また、ピュアMDI価格も中国でUS$2,300/MT,北東アジアでUS$2,250/MTまで上昇した。
3月に入ると需要は落ち着き、クルードMDI価格は東南アジアで2月よりUS$100/MT上昇したものの中国では変わらず、ピュアMDI価格は中国、北東アジア共に2月と価格は変わらなかった。

・TDI
ASEAN、中国にて価格上昇
2月の中国TDI価格(ICIS/LOW)は、あまり積極的な成約はなされなかったものの、引き続きサプライヤーの供給がタイトな状況が続いている中で、春節明けに需要が旺盛になった事に伴い上昇に転じた。中国国内価格(ICIS/LOW)についても、春節明けに需要の回復が見られた為、CN\16,800/MT付近となり、前月末比でCN\400/MT上昇した。
ASEAN価格(ICIS/LOW)についても、中国同様に春節明けに在庫を厚くする需要家が増えた為、2月末時点で前月比+$150/MT上昇した。
一方、北米においては、需要が旺盛では無い中、価格の変動は見られなかった。欧州においても、引き続き需要の停滞状況が続いており、市況価格に変動は見られていない。
日本の通関統計によると、1月度の中国からのTDI輸入量は計1292MTとなり、前月比では増加した。全輸入量の内、中国からの輸入量が92%を占めている。海外メーカーにとって日本市場向けは価格面で魅力的ではない状況は続いており、輸入される数量は今後も限定的と推定される。

・PPG
2024年3月の中国国内PPG価格は、若干さがってUS$1,050/MTとなった。引き続き中国国内向け需要はあまり芳しくなく、東南アジア向けも同様に需要が回復していない。中国の生産者の川上からのコスト上昇圧力が強く、価格は上昇傾向にある。東南アジア向けの価格も調整が入っている。インドの輸入市場は、年度末のため需要が鈍化した。

・PO
2024年3月の中国国内PO価格は、最終的にCN¥9,120/MTとなった。今後の中国POメーカーの一時的なプラント停止を見越して、中国国内価格はスポット的に上昇したが、中国以外の供給は、不足しており中国への輸入はほとんど提供されていない。東南アジアの輸入は上昇したものの需要は低迷している。今後の見通しは、中国の需要については、弱気な見通し。

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