Dow Inc.は2024年9月12日、第三四半期の営業EBITDAが約13億ドルとなる見通しを発表しました。これはS&P Capital IQのコンセンサス予測より約15%低く、テキサス州フリーポートのエチレン分解装置での予期しない稼働停止、欧州でのコスト上昇や利益率圧縮が主な要因とされています。また、第三四半期の売上予測もおよそ106億ドルに修正され、7月末の予測より約4%低い見通しです。
こうした課題がある中で、Dowは北米での価格改善と原料コストの低下により、包装および特殊プラスチック部門で一部の改善が見られると報告しています。
Dowは、第四四半期には通常の季節需要に加えて、設備のメンテナンス費用の減少、テキサス分解装置の稼働率の上昇、米国湾岸地域での天候関連の中断の減少からのプラス効果を期待しています。Fitterling氏は、同社の強固な財政基盤が2030年までに年間30億ドル以上の追加収益を生み出すことを可能にすると強調しました。
Dowはフリーポート施設に3つのエチレン分解装置を持ち、Texas-8分解装置は年間約100万トンの生産能力があります。この装置は、ハリケーン・ベリルによる稼働率低下に伴うクエンチタワーでの汚染問題のため、一時的にオフラインとなり清掃が行われました。Fitterling氏は、大きな機械的問題はなく、装置は10月末までに再稼働する見通しだとしています。
Dowは多くの市場で「需要の低迷」を経験している一方で、北米での包装分野は国内外の需要により堅調さを示しています。しかし、高金利の影響で住宅建設におけるインフラ需要は引き続き弱含んでいます。家電やパーソナルケアの需要は安定しているものの、耐久財への裁量支出は減少しています。米国での利下げサイクルがDowのポリウレタンおよびコーティング事業をさらに支えることが期待されています。