TDI
中国・ASEAN需要横ばい、米国価格上昇
10月の中国TDI輸入価格(ICIS/LOW)は、需要は旺盛でない状況が続いており、引き続き低い価格で推移した。中国国内価格(ICIS/LOW)は、
定修によって稼働停止していたプラントが9月中旬より再稼働しはじめたため、11月も供給過多の状況が継続する可能性がある。
ASEAN価格(ICIS/LOW)は、需要の停滞が継続しているが、インドのディワリ祭による祝日期間を抜けると、需要が戻る可能性がある。
北米では、10月1日から予定されていた国際港湾労働組合(ILA)のストは即時終了され、供給不安は無くなるものの、コベストロとBASFによる値上げは依然として継続されている。ただし、原料であるベンゼンとトルエンの価格は、原油価格の下落を背景に値下がりしており、原料製造メーカーのコスト面での圧力は緩和されてきている。
日本の通関統計によると、全輸入量の内、中国からの輸入量の比率は7月は82%であったのに対し、8月は93%、9月は91%と高い値が続いている。これは、韓国品の輸入量減少による影響とみられる。
MDI
2024年10月 クルードMDIの中国価格がわずかに上昇、それ以外はピュアMDI含めほぼステイ
クルードMDI市況は4月以降、タイトな状況が続き需要はそれほど旺盛ではなかったものの8月まで緩やかに価格は上昇し、9月に入ると中国では需要が若干回復したこともあり4月よりもUS$200/MT以上上昇し、10月も国慶節以降需要が堅調に推移したこともあり価格はUS$2,110/MTまで上昇した。
東南アジア向けは特にインドで需要が回復したものの、それ以外の地域で需要は低迷した為価格は9月と変わらずUS$2,050/MTであった。
一方、ピュアMDIについては中国、北東アジア共に需要は弱含みの状況が続き、5月以降価格は小幅な上昇、下落を繰り返して9月時点では4月とほぼ同レベルであったが、10月は中国では国慶節明けから若干需要が戻ったものの
中国、北東アジア共に9月よりわずかに下落してUS$2,080/MTとなった。
PPG
2024年10月の中国国内PPG価格は、変わらず、US$1,000/MTとなった。アジア市場は、依然として供給過剰の状態が続いており、特に中国では、25年に向けて100万tの新たな増設計画もあり、価格への影響が懸念される。
インド市場に関しては、休暇のシーズの為、動きがほとんどなかった。
アジアからの輸出が増加している一方で、欧州市場では供給がタイトであり、これがアジア市場にも影響を及ぼす可能性があります。特に、中国や韓国からの輸入が増加していることが報告されています。
PO
2024年10月の中国国内PO価格は、若干下落してCN¥8.570/MTとなった。
中国の市場が低迷しており、国内の供給力も十分であり、価格もほぼ横ばい若干の下落が見て取れる。
Q4の需要予測も低調と予測されている。