RWTHアーヘン大学との共同プロジェクトとして設立された触媒研究センター(CAT Catalytic Center Aachen)は、持続可能でリサイクル可能な材料の開発に向けた先駆的な研究を継続しています。この研究センターは、ヨーロッパの化学分野におけるイノベーション競争力を強化するため、2031年までに公的資金による研究プロジェクトを継続し、新たに開始する予定であり、Covestroは1200万ユーロ以上を拠出しています。
2007年にアーヘンで設立されたこの研究センターは、触媒、反応技術、ポリマー化学、化学リサイクルの分野において豊富な専門知識を持ち、気候目標に貢献し、バリューチェーン全体でScope 3排出量の削減を目指しています。カーボンフットプリントの低い革新的なポリマーの開発や、Covestro製品のリサイクルソリューション、バイオマスなどの代替原料の利用が気候対策をさらに促進しています。例えば、EU資金による「Circular Foam」プロジェクトでは、CovestroとRWTHアーヘン大学がCAT Catalytic Centerおよび他の22のパートナーと協力し、硬質ポリウレタン(PU)フォームの材料循環を実現しました。
また、この研究センターは、バイオベースプラスチック、リサイクル可能な複合材料、環境に優しい化学品など、持続可能な材料の開発を目指したEUの包括的な循環経済戦略にも貢献しています。2024年6月に発表された欧州委員会の「科学・研究・イノベーションのパフォーマンス報告書」(SRIP)では、これらの分野がヨーロッパ産業の課題における重要な役割を果たしていることが強調されています。
CO2削減に向けたプロジェクトの一例として、持続可能な原料から生成されるバイオベースアニリンが挙げられます。今年初め、レバークーゼンにおいて世界初のバイオベースアニリンのパイロットプラントが始動しました。この原料はプラスチック産業で使用され、特に硬質ポリウレタンフォーム用のMDIの製造に役立っています。バイオベースアニリンの利用は、将来的な循環経済の推進と、エネルギー効率の高い断熱フォームを通じた建物のCO2フットプリント削減に寄与することが期待されています。