米国の化学大手Dow Chemical Companyは、経済的パフォーマンスの低迷を理由に、アルゼンチンのサンタフェ州サンロレンソ工場での年間50,000トンのポリエーテルポリオール生産を終了する決定を下したと発表しました。同社は、サンロレンソ工場が長年、世界市場でのポリオールの供給過剰により、低稼働率という課題に直面していたと指摘しています。以前、2021年に同工場でのポリウレタン生産活動を停止する計画がありましたが、その際は労働組合や国家政府からの圧力により実現しませんでした。
工場閉鎖による従業員への影響について、Dowと労働組合の間で見解の相違があります。Dowは影響を受ける従業員数を40人と主張していますが、労働組合は120人が影響を受けるとしています。
サンタフェ州の地元メディアによると、工場の従業員を代表するUnited Petrochemical Workers and Employees Union(石油化学労働者従業員組合)は、工場閉鎖の決定に際して労働者代表に通知を行わなかったとして会社を非難しています。一方で、Dowはアルゼンチンの労働法に従い、従業員に適切な通知を行ったと述べています。同社はまた、サンロレンソ工場のすべての関係者と緊密に協力し、秩序ある円滑な移行プロセスを確保することを約束しました。
さらに、Dowはアルゼンチンにおいて依然として重要な事業拠点を維持しています。同社は同国で唯一のポリエチレン生産者であり、主要な生産施設はブエノスアイレス南部のバイアブランカに位置しています。この地域で同社は12の生産工場を所有し、3,000人の従業員を雇用しています。