三井化学株式会社(東京: 4183、代表取締役社長: 橋本修)発表した内容は、子会社のKumho Mitsui Chemicals Inc.(韓国・ソウル、CEO: PARK Chan-Koo)が、9月末にメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)生産用の追加設備を運用開始したことでした。
MDIの需要と用途
MDIはポリウレタンの主要原料であり、自動車部品、寝具、家具、住宅や冷蔵庫の断熱材、弾性繊維、各種接着剤など幅広い分野で使用されています。特に、住宅断熱性能向上を通じた地球温暖化対策を推進する政策や、経済成長に伴う需要増加により、MDIの需要は年間6%の成長率が見込まれています。
新施設の特徴と目的
Kumho Mitsui Chemicalsは以下の用途に適したMDIを製造・販売しています:
- 高性能モノマー型MDI: 自動車部品、弾性繊維、合成皮革
- 汎用ポリマー型MDI: 断熱材
今回の設備拡張は、特に電気自動車における騒音、振動、ハーシュネス(NVH)軽減目的で使用される高性能MDIの需要増加に対応するとともに、断熱材向けの既存需要増加にも対応するものです。
さらに、新しい生産施設には、製造過程で発生する副産物を原料として再利用できるリサイクル設備を導入。このリサイクル設備により、以下の成果が期待されています:
- コスト削減: 原材料自給率の向上
- 環境負荷軽減: 廃水排出量とサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量の削減
グローバル市場での展望
Kumho Mitsui Chemicalsは、MDI分野での世界的リーダーを目指しています。今回の先端的な新施設による生産能力増強を活用し、MDI事業の拡大と製品性能のさらなる向上を同時に追求していきます。