LGエレクトロニクスのインド子会社が、インド証券取引委員会(SEBI)に新規株式公開(IPO)の申請を行いました。この動きは、10月に上場した現代自動車に続き、韓国企業として2社目のインド市場上場となります。
IPOの詳細と評価額
今回のIPOでは、韓国の親会社が1億180万株を売却し、IPO後のLGエレクトロニクス・インドの払込済み株式資本の約15%を占める予定です。発行規模は約18億ドル(1兆5,237億ルピー)と見込まれ、1株当たりの額面は10ルピーとなります。IPOによる調達額は10億ドルから15億ドルの間で、インド子会社の評価額は約130億ドルに達する可能性があります。
上場の理由と資金の用途
韓国市場に上場している企業は、海外の同業他社と比較して株価が低く評価される「コリア・ディスカウント」を経験しており、今回の上場はその解消を狙ったものとみられています。インド市場での上場によって、株主へのリターン向上を図りつつ、このディスカウントを軽減することを目指しています。なお、IPOの収益は全額親会社への売却益(OFS: Offer for Sale)となり、LGエレクトロニクス本社がインド子会社の投資の一部を回収する形となります。
LGエレクトロニクス・インドの業績と競争環境
LGエレクトロニクス・インドは1997年に設立され、主に家電・空調部門とホームエンターテイメント部門の2つの事業セグメントで展開しています。2024年度の売上高は2兆1,353億4,000万ルピーで、2023年度の1兆9,870億3,000万ルピーから増加しました。2024年度の純利益は1,511億ルピー(2023年度は1,344億9,000万ルピー)となっています。インド市場では、サムスンやワールプールなどの競合企業と競争を繰り広げています。
IPOの主幹事と他のIPO申請企業
IPOはモルガン・スタンレー、JPモルガン、アクシス・キャピタル、バンク・オブ・アメリカ証券、シティグループが主幹事を務めます。現在、インド市場では、Sagility India、Niva Bupa Health Insurance Co.、Hexaware Technologies、Carraro India、International Gemmological Institute India、BMW Ventures、Afcons Infrastructure、Rubicon ResearchなどがIPO申請を行っています。
外国企業がインド市場で上場するメリット
専門家によると、外国企業がインド市場に上場することには以下のような利点があります。
- インド市場でのブランド認知度向上
- 海外からの資金調達より低い資本コスト
- 上場後のキャピタルゲイン税軽減による将来的な資産売却のメリット
インド市場にはすでに、マルチ・スズキ・インディア(Maruti Suzuki India Ltd)、ヒンドゥスタン・ユニリーバ(Hindustan Unilever Ltd)、ネスレ・インディア(Nestle India Ltd)、コルゲート・パルモリーブ・インディア(Colgate-Palmolive India Ltd)など、著名な外国企業が上場しています。