市況レポート 2025年2月

目次

 TDI

北米 価格上昇も今後の動向を注視

2月の中国TDI輸入価格(ICIS/LOW)は、僅かに上昇した。中国国内価格(ICIS/LOW)は、春節後の需要見通しは良好であると推察されていたが、川下需要が低調なこともあり、下落した。
 ASEAN価格(ICIS/LOW)は、2月度は1月度とほぼ同価格帯で推移した。北東アジアでの3月までの各メーカーの定修の影響により、TDIの供給がひっ迫する可能性もあり、今後の価格に注視する必要がある。
 北米では、トランプ政権による諸外国への報復関税の可能性やインフレ圧力の高まりを受けて、米国の消費者態度指数は下落する可能性がある。TDIを使用する寝具や家具等の製品の消費は、上記の態度指数と相関関係にあるため、今後需要の低迷が想定されているため、原料価格も低下する恐れがある。
 日本の通関統計によると、全輸入量の内、中国からの輸入量の比率は1月は96%と高い割合が続いている。

 MDI

2025年2月クルードMDI、ピュアMDI共に価格上昇

クルードMDI市況は、中国では供給の逼迫が続いているにもかかわらず、1月は12月に引き続き価格は変わらずUS$2,060/MTであった。また東南アジア向けは9月以降変わらず1月もUS$2,050/MTであった。
2月に入っても需要は依然弱含みの状態が続いたが、春節後在庫レベルが下がっていたこともあり、価格は中国でS$2,100/MT,東南アジアでUS$2,150/MTと若干上昇した。
 一方、ピュアMDI市況については中国、北東アジア共に2024年12月末はUS$2,100/MTであった。2025年1月には中国、北東アジア共にUS$100/MT下落し、US$2,000/MTとなったが、2月に入ると中国、北東アジア共にUS$100/MT上昇し、共にUS$2,100/MTと2024年末のレベルに戻った。

 PPG

2025年2月の中国国内PPG価格は、若干戻したが、下落しUS$935/MTとなった。

Befar GroupとWanhua Chemicalの新施設の生産により、山東省のこれら2つのサプライヤーは在庫処分の強い意向を示し、価格が下落している。
全体的に春節のホリデーシーズンもあり、東南アジア、インドともに少しづつ価格は下落している。需要も弱くしばらくは、このまま低調に推移していくと予測される。

 PO

2025年2月の中国国内PO価格は、CN¥7,750/MTとなった。

中国の輸入市場は安定から下落傾向に 国内の供給過剰は工場閉鎖にもかかわらず継続。東南アジアの輸入市場は、中国国内で複数の工場が閉鎖されたにもかかわらず供給過剰が依然として問題となっているため、価格を下方修正した。
中国の輸入市場では新たな交渉やオファーはなかった。 生産者は引き続き高い在庫レベルを維持していると述べた。 北東アジアの輸入市場全体でも新たな交渉は限られていたが、指標も下落した。 中国以外では、いくつかのPO工場の稼働率が低下している。

Share Please!
URLをコピーする
URLをコピーしました!
目次
閉じる