市況レポート 2025年3月

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 TDI

アジア市況 供給過剰で価格下落
3月の中国TDI輸入価格(ICIS/LOW)、中国国内価格(ICIS/LOW)は、双方とも下落した。特に中国国内価格は、供給過剰の状態が続き、低水準の価格帯で推移している。中国の電気自動車(EV)の生産は引き続き高水準に保たれる見込みだが、米国の関税強化の影響は、中国自動車産業の成長に悪影響を及ぼす可能性が高い。
ASEAN価格(ICIS/LOW)は、中国の供給過剰の影響を受けて、3月度はわずかに下落した。
北米では、トランプ政権は4/3以降にアメリカに輸入される自動車に対して25%の関税を課すと発表した。これによって、諸外国による報復関税の可能性やインフレ圧力の高まりを受けて、米国の消費者態度指数はさらに下落する可能性がある。TDIを使用する寝具や家具等の製品の消費は、上記の態度指数と相関関係にあるため、今後需要の低迷が想定されている。
日本の通関統計によると、全輸入量の内、中国からの輸入量の比率は2月は81%と前月の96%と比較すると、低い割合となった。

 MDI

2025年3月クルードMDI、ピュアMDI共に価格下落
クルードMDI市況は、中国、東南アジア共に昨年後半以降価格は小刻みに上がったり下がったりの状況が続いたが、2月に入り需要は依然弱含みの状態が続いたものの、春節後在庫レベルが下がっていたこともあり、価格は中国でS$2,100/MT,東南アジアでUS$2,150/MTと若干上昇した。しかし3月に入ると中国ではUS$1,960/MT,東南アジアではUS$2,050/MTと再び下落した。
一方、ピュアMDI市況については中国、北東アジア共に2024年12月末はUS$2,100/MTであった。2025年1月には中国、北東アジア共にUS$100/MT下落し、US$2,000/MTとなったが、2月に入ると中国、北東アジア共にUS$100/MT上昇し、共にUS$2,100/MTと2024年末のレベルに戻ったが、3月に入ると需要低迷から中国、北東アジア共にUS$100/MT下落し、US$2,000/MTとなった。

 PPG

2025年3月の中国国内PPG価格は、下落しUS$906/MTとなった。
中国国内市場は、落ち込み、在庫管理が焦点となっている。東南アジアの輸入市場もどのグレードも需要が低迷している。インドの輸入市場は、比較的安定しており期待も持てている。
POの生産者は、需要は低迷しているが、供給が過多になっている。
全体としてみても、欧州、アメリカの保護貿易への傾倒と中国も不動産への過剰債務によって、全体の需要を圧迫している。

 PO

2025年2月の中国国内PO価格は、CN¥7,758/MTとなった。
北半球が暖かくなることに伴い、建設需要が増加することが期待されているが、全体的な経済の不透明性、アメリカの関税の影響などもあり、需給は懸念されている。中国の在庫は、まだ、非常に高水準で推移している。
市場関係者は、4月以降も需要の回復見込みは、低いとみられている。アジアの輸出入の需要も低迷している。

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