市況レポート 2025年4月

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 TDI

アジア市況関税の影響、鮮明に
4月の中国TDI輸入価格(ICIS/LOW)、中国国内価格(ICIS/LOW)は、双方とも下落した。特に中国国内価格は、景気低迷による供給過剰の状態が続いている影響で、低水準の価格帯で推移している。米中間の関税の掛け合いによる最終製品の需要減少は、さらなる価格低迷に繋がる可能性がある。
ASEAN価格(ICIS/LOW)は、中国の供給過剰の影響を受けて、4月度はわずかに下落した。
北米では、トランプ政権が4/3以降アメリカに輸入される自動車に対して25%の関税を課している。この影響で、諸外国による報復関税の可能性やインフレ圧力の高まりを受けて、米国の消費者態度指数は下落する可能性がある。一方で、5/3までに発動が予定されている自動車部品に対する追加関税は、米国内で組み立てを行うOEMに対しては軽減策を適用するなど、販売価格や製造コスト増加を避ける動きもある。
日本の通関統計によると、全輸入量の内、中国からの輸入量の比率は3月は95%と高い割合となった。

 MDI

2025年4月クルードMDI 、 ピュアMDI 共に価格大幅下落
クルードMDI 市況は、中国、東南アジア共に昨年後半以降価格は小刻みに上がったり下がったりの状況が続いたが、3 月に入り需要は依然弱含みの状態が続いた。更に万華化学のMDI 工場が増設されたことで中国国内でMDI 供給過多となり、価格は中国で$ MT, 東南アジアでUS$1,950/MT と大きく下落した。
一方、ピュアMDI 市況については中国、北東アジア共に2024 年12 月末はUS$2,100/MT であった。2025年1 月には中国、北東アジア共US$100/MT下落し、US$2,000/MT となったが、2 月に入ると中国、北東アジア共にUS$100/MT 上昇し、共にUS$2,100/MT と2024 年末のレベルに戻ったが、3月に入ると需要低迷から中国、北東アジア共にUS$100/MT 下落し、US$2,000/MT となり、4月には需要低迷・供給過多から中国、北東アジア共にUS$220/MT 下落し、US$1,780/MT となった。

 PPG

2025年4月の中国国内PPG 価格は、下落しUS$ 868/MT となった。
中国国内市場は、上流原料であるプロピレンオキシド(PO)が労働節の連休を前に週前半に若干回復したにもかかわらず、さらに下落。中国の国東南アジアの市場も4 月には軟化する見込みです。地域の供給が逼迫しているにもかかわらず、需要が引き続き弱いためです。主要な派生製品の輸入も価格に追加の圧力をかけており、5 月から7月にかけて価格が下落すると予測されています。インドネシアでの主要な新施設の稼働開始もこの時期に予定されており、価格に影響を与える可能性があります。

 PO

2025年4月の中国国内PO 価格は、CN ¥7,500/MT となった。
中国の国内市場は7 週連続で下落し、東南アジアの輸入は各グレードで安定から軟化しました。インド市場では価格が落ち着き、需要回復が期待されています。東南アジア向けのスラブストックポリーオールの輸入に関するオファーは限定的でしたが、一部の生産者は独自に価格を引き下げているようです。需要は依然として弱く、輸入市場では下落が見られました。中国のプロピレンオキシド(POPO)価格が急落した後、インドの輸入市場では、市場関係者は前向きな見通しを持っています。6 月から7 月の雨季前に在庫補充活動が増加することが期待される。

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