市況レポート 2025年6月1日号

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 TDI

アジア市況 定修の影響で価格上昇
5月の中国TDI輸入価格(ICIS/LOW)、中国国内価格(ICIS/LOW)は、双方とも上昇した。6月度は中国国内のTDIメーカーが相次いで定修に入り、供給が圧迫される状況が想定された影響で、価格が上昇したと推察される。5月中旬に合意された米中の追加関税の90日間の一時的な緩和措置によって、駆け込み需要が6,7月では想定されるが、交渉の先行きが不透明なこともあり、各製造業が大幅に増産に動くとは考えにくい状況である。
 ASEAN価格(ICIS/LOW)は、中国国内価格と同じく、定修による供給圧迫の懸念から、5月度はわずかに上昇した。北米では、トランプ政権が4/3以降アメリカに輸入される自動車に対して25%の関税を課している。この影響で、諸外国による報復関税の可能性やインフレ圧力の高まりを受けて、米国の消費者態度指数は下落する可能性がある。一方で、5/3に発動された自動車部品に対する追加関税は、米国内で組み立てを行うOEMに対しては軽減策を適用するなど、販売価格や製造コスト増加を避ける動きもある。日本の通関統計によると、全輸入量の内、中国からの輸入量の比率は4月は72%と他の月に比べると低い割合となった。

 MDI

2025年5月クルードMDI 、 ピュアMDI 共に急速回復
クルードMDI市況は、中国、東南アジア共に昨年後半以降価格は小刻みに上がったり下がったりの状況が続いた。4月に入り需要低迷・供給過多の状態が続いたが、対米国関税率が引き下げられることにより中国で$1,850/MTまで回復した。東南アジアではUS$1,900/MTと僅かに下落した。
 一方、ピュアMDI市況については中国、北東アジア共に2024年12月末はUS$2,100/MTであった。2025年1~3月までは中国、北東アジア価格共に小刻みに動いていたが、4月には需要低迷・供給過多から中国、北東アジア共にUS$220/MT下落し、US$1,780/MTとなった。5月はクルードMDI同様中国、北東アジア共にUS$2,000/MTまで回復した。

 PPG

2025年5月の中国国内PPG 価格は、下落しUS$ 838/MT となった。
供給過剰と需要の低迷が続いており、そのため、稼働率の低下などが起こっており、中国の供給者は、輸出機会に焦点を当てるとみられている。米国の関税や地政学的な不確実性が需要に影響を与え、価格の上昇を抑える可能性があります。

 PO

2025年5月の中国国内PO 価格は、CN ¥7,360/MT となった。
中国の国内市場は需要低迷の影響を受けて下落し、東南アジアの輸入は各グレードで安定しているが、市場の活性化には至っていない。インド市場では需要は安定している価格は外部要因に影響を受けている。2025年と2026年のポリオール需要の成長は鈍化すると予測されています。特に、自動車、建設、快適性産業においては、経済の不確実性が影響を及ぼし、需要が低迷しています。
国では、ポリエーテルポリオールの生産能力が約100万トン/年増加する見込みです。この追加供給が市場に影響を与え、価格を抑制する要因となる可能性があります

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