Covestroは、2025年中にコーティングおよび接着剤の処方を最適化するための自動化ラボを開設することを発表しました。このラボは、週7日24時間体制で稼働可能で、年間で数万件の処方試験を行うことを目指しています。
業界の課題とCovestroの対応
コーティングおよび接着剤メーカーは、製品の迅速な改良、効率性、持続可能性、規制への対応、そして循環型製品の開発という多面的な課題に直面しています。その鍵となるのが、バインダーとクロスリンカーです。
これに対しCovestroは、自社の知識とデータベース、そして新たに生成されるデータを活用する自動化ラボを開設することで、開発と最適化の精度とスピードを飛躍的に向上させることを狙っています。
Covestro製バインダーとクロスリンカーによる処方試験
この新ラボでは、Covestroのバインダーおよびクロスリンカーを使用した処方開発が行われます。バインダーとクロスリンカーの賢明な選択によって、硬度、接着性、不透明性、光沢、耐久性などの特性が決まります。
処方は通常7〜15種類の成分を組み合わせて構成されるため、従来は標準的な組み合わせが主流でしたが、新ラボでは自動化とコンピュータ支援設計により、より多様で高度な試験が可能となります。
AI・ロボティクス・マスデータによる高度化
この施設は、水性および溶剤系の1液性・2液性システムの処方を行うほか、原材料、処方、塗布後の膜に対する多様な材料試験を実施できます。また、さまざまな気候環境を再現し、実際の使用条件をシミュレーションすることも可能です。
さらに、他の専門ラボへのサンプル転送も容易で、より市場に特化した試験結果を取得しやすくなります。
このようにCovestroは、処方開発における新たな標準を打ち立てようとしています。