市況レポート 2025年7月1日号

目次

 TDI

アジア市況 再び下落へ 中東情勢も注視
6月の中国TDI輸入価格(ICIS/LOW)、中国国内価格(ICIS/LOW)は、景気低迷の影響を受けて、双方とも下落した。6月は中国国内のTDIメーカーが相次いで定修に入り、供給が圧迫される状況が想定されたが、市況価格自体は下落している。
ASEAN価格(ICIS/LOW)は、中国国内価格と同じく、中国の景気低迷の影響を受けて、下落した。北米では、トランプ政権が4/3以降アメリカに輸入される自動車に対して25%の関税を課している。この影響で、諸外国による報復関税の可能性やインフレ圧力の高まりを受けて、2025年の末に向けて、米国の景況指数は下落する可能性がある。既に停戦状態にあるイスラエル・イランの衝突であるが、米国の報復攻撃後は原油価格が上昇したものの、直近は比較的安定している。
インドの市況価格は、モンスーン期に入るため、需要の低下による価格低迷が予想されている。(グラフ表示なし)日本の通関統計によると、全輸入量の内、中国からの輸入量の比率は5月は71%と他の月に比べると低い割合となった。

 MDI

2025年6月クルードMDI 、 ピュアMDI共に価格下落
クルードMDI 市況(ICIS/ は、中国、東南アジア共に昨年後半以降価格は小刻みに上がったり下がったりの状況が続いた。4 月に入り需要低迷・供給過多の状態が続き、中国では$1,650/MT まで落ち込んだ。中国MDI メーカーの定修や対米国関税率が引き下げられることにより供給が圧迫される状況が想定されたため5 月には中国で$ MT まで回復したが、6 月は$1,800/MT まで価格が下落した。東南アジアではUS$1,900/MT と僅かに下落した。
一方、ピュアMDI 市況については中国、北東アジア共に2024 年12 月末はUS$2,100/MT であった。2025年11~3 月までは中国、北東アジア価格共に小刻みに動いていたが、4 月には需要低迷・供給過多から中国、北東アジア共にUS$220/MT 下落し、US$1,780/MT となった。5 月はクルードMDI 同様中国、北東アジア共にUS$2,000/MT まで回復したが、6 月は$100/MT 下げてUS$1,900/MT であった。

 PPG

2025年6月の中国国内PPG価格は、少し持ち直したが、低位で推移しUS$858/MTとなった。
供給過剰と需要の低迷が続いており、平均稼働率が52%から47%に低下しましたが、供給は依然として需要を上回っています。中国の供給者は、輸出機会に焦点を当てるとみられている。
8月末から9月にかけて、在庫補充需要に支えられて価格が回復する見込みです。6月と7月の低価格は、生産者の利益を圧迫し、稼働率の削減につながる可能性がある。

 PO

2025年6月の中国国内PO価格は、CN¥7,360/MTとなった。
需要は低迷しています。中国では、ポリエーテルポリオールの価格が安定している一方で、需要は依然として弱い状況です。アジアからのポリオールの輸入は、欧州市場への影響を与えており、価格競争が激化しています。特に、アジアのポリオール価格は、原料コストの上昇に伴い、若干の上昇が見られています。
中国では、ポリエーテルポリオールの生産能力が約100万トン/年増加する見込みです。この追加供給が市場に影響を与え、価格を抑制する要因となる可能性があります

Share Please!
URLをコピーする
URLをコピーしました!
目次
閉じる