TDI
三井化学TDIプラント稼働再開アジア市況安定推移へ
9月の中国TDI輸入価格(ICIS/LOW)、中国国内価格(ICIS/LOW)は、国慶節前の原料の在庫消化の影響で下落した。三井化学大牟田工場は、ガス漏洩の影響で稼働停止していたが、9月上旬に稼働が再開され、供給不安で一時市況価格は上昇したものの9月末現在は稼働停止前の水準に戻りつつある。
北米では、米国内のサプライヤーで原料値上げ、インドのGNFCのガス漏れによる稼働停止やドイツコベストロのフォースマジュールの影響で市況価格は上昇を続けている。EU圏では7月16日に発生したCovestroのドルマゲン工場のフォースマジュールの影響で市況価格の急騰が続いて
いる。稼働停止が長引けばEU全体のTDI市況価格が10月以降も上昇する可能性があり、原料ユーザーはアジアからの輸入を検討しているとの情報もある。
日本の通関統計によると、全輸入量の内、中国からの輸入量の比率は8月は76%と他の月に比べて低い割合となった。
MDI
2025年9月、クルード・ピュアMDIともにわずかに下落
クルードMDI市況(ICIS/LOW)は、中国、東南アジア共に昨年後半以降価格は小刻みに上がったり下がったりの状況が続いた。4月に入り需要低迷・供給過多の状態が続き、中国では$1,650/MTまで落ち込んだ。中国MDIメーカーの定修や対米国関税率が引き下げられることにより供給が圧迫される状況が想定されたため5月には中国でUS$1,850/MTまで回復したが、9月は中国価格及び東南アジア価格共にUS$1,750/MTまで下落した。
一方、ピュアMDI市況については中国、北東アジア共に2024年12月末はUS$2,100/MTであった。2025年1~3月までは中国、北東アジア価格共に小刻みに動いていたが、4月には需要低迷・供給過多から中国、北東アジア共に下落し、US$1,780/MTとなった。5月以降もクルードMDI同様中国、北東アジア共に低調で9月は中国、北東アジアでUS$1,850/MTとなった。
PPG
2025年9 月の中国国内PPG 価格は、少し持ち直したが、低位で推移しUS$ 945.5/MT となった。
需要は弱く、価格に変動が少ない。特に、中国では、国慶節休暇前の需要が期待されていたものの、実際には供給過剰が続いている。プロピレンの価格は、供給が潤沢で需要が低迷しているため、全体的に下落傾向にある。特に東南アジアでは、通貨の弱さが輸入交渉に影響を与えている。
供給過剰は、アジア太平洋地域における競争を激化させ、他の市場への輸出を促進と生産調整が必要な可能性がある。
PO
2025年9 月の中国国内PO 価格は、CN ¥7,672.5/MT となった。
アジアのポリオール市場では、価格は「安定から強含み」で推移している。これは、主原料の価格上昇が影響しているためである。供給は十分に確保されている一方で、需要は依然として低調な状況が続いている。季節的な要因により、需要はわずかに増加しているが、全体としては慎重な姿勢が続いている。買い手は依然として様子見の姿勢を崩しておらず、供給と需要の基本的なバランスに大きな変化は見られない。アジア地域のPO 輸入価格は、原料価格の上昇と供給の引き締まりにより、「安定から強含み」で推移している。特にPO の価格上昇が、中国国内価格および地域の輸入オファーを支える要因となっている。