TDI
ASEAN、中国は高値推移、 EU では大幅上昇
4月の中国TDI 価格 (ICIS/ は、 US$2,750/MT 付近、ASEAN(ICIS/LOW) についても、 US 2,900/MT 付近と高い水準での推移を継続している。 5 月は、中国では労働節、東南アジアにおけるイスラム圏のイード・アル フィトル 〈 ラマダーン
の終了を祝う大祭祝日 〉 により、需要は減少する可能性もあるが、アジアのメジャーサプライヤーが定修を迎える中で、アジア価格は引き続き高値で推移すると考えられる。欧州では、 4 月は、エネルギーコスト、天然ガス価格高騰に伴い、 TDI 価格は大きく上昇した。北米においても、昨年発生した大寒波等の影響時から、 4 月は引き続き高止まりの状況が続いているが、 5 月以降は、需要家も稼働を維持したいものの、労働力不足や他の原料関係の不足による、生産活動の不安定さから、需要減が見られ、 TDI の価格帯が若干緩む可能性があると予想される。日本の通関統計によると、3月度の中国からのTDI 輸入量は、計 228MT 程度と 2月度の 1,751MT と 比較し 大幅に減少した。全輸入量の内、中国からの輸入量が 約 9 2 %を占め た。国内サプライヤー大手 2 社(三井化学、東ソー)が値上げ基調であるが、海外メーカーも輸出先としては、他国のマーケット価格高騰している状況下、日本へ安価で提供することは考えられず、日本への輸入量は限定的な状況が続くと想定される。
MDI
2022年 4 月 中国、 ASEAN 共に価格は安定して推移MDI市況は年が明け 1 月~ 3 月の 1Q は安定して推移し、中国、 ASEAN 共に$ 2,500/MT 2,600/MTレベルで推移した。3月 22 日に BASF の米国ガイスマー工場( 40 万 トン年)で生産設備トラブによるフォースマジュール宣言があり、 4 月以降中国、 ASEAN に影響が出れば価格が上昇することも予想されたが、需要がそれほど堅調ではなく、結果としてその影響はほとんどなく、 4 月も中国、 ASEAN 共に 3 月とほぼ同じレベルで推移した。5月以降に関しては、中国上海地区のロックダウンの状況、ウクライナ情勢がどのような形で需要、価格に影響してくるのか誰も予想出来ない状況になっており現行不透明である。
PO
2022年 4 月の 中国国内 PO 価格は、最終的にCN ¥ 10,900/MT となった 3 月から特に大きな変動はなかった。中国国内のパンデミックの影響で需要は下がっているものの、プラントの稼働率も低下しており、市況に大きな変動はなかった。5月も塩素などの原料価格の下落、パンデミックの影響で、需要が回復しないことが予想されるため、市況は横ばいに推移、もしくは緩やかに下落することが想定される。
PPG
2022年 4 月の中国国内 PPG 価格は、 最終的にはUS 1,600/MT となった。 PO 価格が横ばいに推移した事と、需要が中国国内パンデミックの影響で、減少したことが要因となり、 3 月と比べて市況は若干下落した。引き続き需要は減少すると予想され、PO 価格が緩やかに下落していけば PPG 価格も同様に緩やかに下落していくことが予想される。