2022年10月14日、スイス インターナショナル エアラインズ(SWISS)にて、ボーイング777-300ERが、旅客飛行に飛び立ちました。この機体は、Lufthansa TechnikとBASFが共同開発した表面技術「AeroSHARK」が使用されており、胴体とエンジンナセルには、約950平方メートルの機能性リブレットフィルムが貼られており、抵抗を減らすためにサメの皮のような流動効率の良い特性を再現しています。この航空機はHB-JNHとして登録され、日々のフライトで節約の検証をする役割を果たすことになります。
AeroSHARKは、リブレットと呼ばれる微細なリブからなる特殊な表面構造により、流動シミュレーションによると、この航空機の外側の摩擦抵抗を1%強減らすことができました。その結果、燃料消費量とCO2排出量も同程度に削減することができました。SWISSのボーイング777-300ERの場合、年間約400トンの灯油と1,200トン以上の二酸化炭素を削減すると言われています。
HB-JNHのAeroSHARK改造は8月末に始まり、9月8日と9日に数回のテスト飛行で終了しました。テスト飛行では、AeroSHARKの改造がボーイング777の運航上の安全性と操縦性に悪影響を与えないことを詳細に実証する必要がありました。
実際のフライトで計算上のコスト削減効果が確認され次第、SWISSとLufthansa Cargoによる本格的なローンチ展開が開始される予定です。さらにボーイング777-300ERおよび777Fのすべてに定期メンテナンス時に順次AeroSHARKを搭載していく予定です。これにより、両社は旅客・貨物の航空会社として世界で初めて、サブフリート全体をこの技術で最適化することになります。Lufthansa Cargoの11機、SWISSの12機のボーイング777型機がすべてAeroSHARKの改造を受けた場合、Lufthansa グループで、二酸化炭素排出量は年間2万5000トン以上削減されることになります。