エボニックは、TAA誘導体事業をSABOに売却することを発表しました。売却価格については、詳細を開示していません。これには、エボニックの所轄委員会の承認が必要であり、クロージングは2023年初頭になる見込みです。
エボニック(イタリアの化学会社)は、TAA誘導体が原料である光安定剤の世界的な大手メーカーの一つです。TAA誘導体は、光安定剤を製造するために不可欠な前駆体です。得られた添加剤は低濃度で使用され、光、酸素、熱による分解からポリマーを保護・安定化し、プラスチックの耐用年数を大幅に延ばすことができます。TAA誘導体は、自動車や建設業界、農業用フィルムの製造など、多くの製品に使用されています。
TAA誘導体事業売却によって、特殊化学品分野で収益性の高い成長を続ける予定です。TAA事業は、エボニックの特殊添加剤部門に属していて、ドイツのマールと中国の遼陽にある2つの生産拠点で、約250人が働いています。
この買収により、SABOは光安定剤市場における独自の後方統合と、遼陽の中国拠点の取得によるグローバルな事業展開を強化することになります。