日本ペイントマリンは、ベトナムへの塗料生産を拡大します。同社は、ベトナムの北部、南部、中部の工業地帯に設立した施設で、間もなく当社の海洋防食・保護塗料の生産を開始し、2024年から5年の間に船体と防汚製品の生産ラインが追加される予定です。ベトナムの船主や造船所は、燃料の節約、排出ガスの削減、サービス時間の延長、アイドルタイムの短縮、塗布時間の短縮、運用・保守コストの最小化が実証されている同社の現地生産・現地供給のコーティング技術の恩恵を受けることができます。
この背景には、ひとつは、ベトナム政府の造船部門への投資を受けたことにあります。ベトナムの海事産業は、ベトナム政府によって優先分野とされ、アジア最大級の造船・船舶修理の拠点となることが期待されています。ベトナムに乾ドック入りしている国内外の船舶のマリンコーティングの需要は、今後数年間で大きく伸びると予測されています。
ふたつめに、同社の船舶用塗料に対する市場の需要が高まっった背景を受けています。過去2年間で、COVID-19の操業停止による中国からの需要シフトに加え、ベトナム国内の船隊の増加に伴い、ドライドックの容量は2倍に増加しました。海事部門の継続的な成長は、国内のすべての主要な造船と修理のハブが拡大することをもたらしています。北部には6つの大規模ヤード、南部にも同じものがあり、中部には2つのヤードがあります。日本ペイントマリン独自の調査によると、新造船と既存船腹を含め、塗装を必要とする船舶は約4,000隻にのぼります。国内オーナーからのマリンコーティングの総需要だけでも、中期的には3,500万米ドル相当、さらに成長を続けるベトナムにおける外国船のメンテナンス・修理の機会を考慮すると、それ以上の価値があると推定しています。今後5年以内に、マリンコーティングの市場シェアは15~20%になると予想されています。
日本ペイントマリン(ベトナム)は、すでにベトナムオーシャンシッピング(VOSCO)、チュオングエン輸送輸入輸出貿易社、セランガス社とそのグループ、VIMCシッピング社(Vinalines)など、複数のベトナム船主とコーティング契約を締結しています。
日本ペイントマリンの親会社である日本ペイントは、1989年からベトナムに進出しており、ホーチミンとハノイの郊外にある生産工場で装飾塗料や自動車塗料を生産していますが、ベトナムの海運業界は今年まで日本ペイントマリンシンガポールがサービスを提供していました。今回、ベトナムを拠点とする専門チームを設置することで、日本ペイントマリーンは現地に根付き、同地域におけるマリンコーティング事業の成長を目指します。
ベトナムのファルン造船所にドライドックされたVOSCOの9101重量トンコンテナ船Fortune Freighterは、2022年10月に日本ペイントマリンのナノドメイン構造自己研磨防汚剤FASTAR XIを初めて適用しました。
また、ファルン造船所がTruong Nguyen Transport Import Export Trading向けに建造している24,000DWTの新造バルカーTruong Nguyen SkyにもFASTAR Iコーティングが適用されました。また、VIMCのバルカーであるVMIC MightyとVMIC BraveにもFASTAR Iコーティングが施されています。