Paramountベッド株式会社、三井化学株式会社、株式会社Reverは、環境省の「2023年度脱炭素循環型経済システム構築促進事業」に、マットレスに含まれるポリウレタンのケミカルリサイクルを目的とした取り組みが採択されたことを発表しました。本スキームは、公募の結果、プラスチックのリサイクルプロセスの構築とCO2排出量削減を目的とした実証プロジェクト部門に採択されることになりました。
1. 背景
海外の化学メーカーは、バリューチェーンの構築や廃棄が必要なマットレスのリサイクルコンソーシアムの設立など、既にポリウレタンリサイクルに取り組んでいます。また、ポリウレタンをリサイクル素材として利用するための新たな技術や手法の模索も行われています。
しかし日本では、マットレスに含まれるポリウレタンは廃棄物として回収され、ほとんどが焼却処分されています。ポリエステルや金属バネなど、ポリウレタン以外の素材を含むマットレスの処理は難しく、自治体や産業廃棄物を排出する事業者にとっては処理費用がかさむのが現状です。また、高齢化社会に伴う在宅介護用ベッドの需要増により、廃棄に回されるマットレスの数が増加することが予想されています。
2. 目的
Paramountベッドはベッド・マットレスの製造・販売、三井化学はウレタン素材の製造・販売・研究、Reverはリサイクルを行っています。このように、3社で低炭素ケミカルリサイクル技術から回収までのリサイクルシステムの確立を目指します。具体的には、3社は2025年2月までの実証プロジェクトを通じて、使用済みマットレスのケミカルリサイクルと廃棄に関する低炭素技術やプロセスを開発する計画です。
また、介護保険制度のレンタルサービスでリユースされた使用済みマットレスの回収スキーム構築にも取り組む。Paramountベッドが認定を受けている広域認定制度を活用することで、その実現を目指す。