BASFは最近、革新的なツール「GLASS」を発表しました。このツールは、自動車製造工場の塗装工場のCO2排出量を包括的に分析することができ、排出量とコストシミュレーションを算出します。
カーボンニュートラルを目指すことは、多くの産業やバリューチェーンにとって重要な目標です。自動車産業の塗装・前処理工程もその一つであり、自動車工場での車両生産に必要な全エネルギーのうち、60%以上を占めています。BASFの塗料部門は、この新しいツールを通じて、透明性を実現し、顧客が持続可能な表面処理ソリューションのための情報に基づいた意思決定を支援する分析手法を提供します。
GLASS(Global Life-cycle Assessment of Automotive Surface Solutions)ツールの分析は、原料抽出から前処理、最終工程であるクリヤーコート塗装に至るまで、バリューチェーン全体を対象とした「ゆりかごから墓場まで」のアプローチを採用しています。この透明性により、顧客はコスト、性能、環境フットプリントの最適化を導き出すことができます。
塗装はさまざまな塗料層で構成されており、1台あたりのCO2排出量はおよそ30kgにもなる計算となっています。しかし、実際の塗装工程ははるかに大きな影響を及ぼし、1台あたり少なくとも150kgのCO2排出量を占めています。これは車両製造工程のおよそ3分の1に相当します。
明性、CO2削減、コストシミュレーション
GLASSツールは、適合したライフサイクル分析モデルに基づいています。このモデルは、特定のブースや塗装システムなど、塗装工程の個々の要素だけでなく、モジュール方式でアプリケーションプロセス全体とすべての層における環境影響を分析することができます。実際には、地域や設置場所ごとの要因、例えば気候条件、エネルギー使用量、顧客ごとのアプリケーションプロセスや生産構造なども考慮されます。
透明性が確立されることで、顧客に的確なアドバイスを提供し、共同でソリューションを開発することが可能になります。これらは、バリューチェーンの初期段階におけるCO2削減技術や、塗布時にCO2削減効果をもたらす手法にあたります。
BASFのカーボンフットプリント計算方法で評価された製品情報はすべて、GLASSツールで利用できます。これは、温室ガスプロトコル、DIN EN ISO 14040および14044規格、および Together for Sustainability (TfS) の要求事項に完全に準拠していることを、TÜV Rheinland が認証しています。