リサイクルナイロンを使用した漁網の開発

伊藤忠商事株式会社(東京都港区、石井敬太社長執行役員 COO、以下「伊藤忠商事」)と、Aquafil S.p.A.(イタリア、ジュリオ・ボナッツィ CEO、以下「Aquafil」)は、漁網製造会社である桃井漁網製作所株式会社(兵庫県赤穂市中広1576-5、桃井一満社長兼CEO、以下「桃井」)およびキノシタ漁網製作所株式会社(愛知県西尾市西幡豆町針巻1、キノシタ浩太郎社長兼CEO、以下「キノシタ」)と共同で、リサイクルナイロンを使用した漁網の開発と量産体制の確立に向けて協業することに合意しました。

現在、漁業由来のプラスチックごみ(廃棄漁網や釣り糸など)は、毎年約115万トンが適切な処理をされずに海洋に流出しています。このような状況の中、持続可能な海洋環境を実現するためには、環境に優しい製品の開発や海洋廃棄物のリサイクルへの取り組みが重要になっています。

伊藤忠商事は2022年3月にAquafilに出資を行い、Aquafilと共に使用済み漁網を含むナイロン廃棄物の回収、ECONYL®原料の普及、最終製品の開発に取り組んできました。

回収されたナイロン廃棄物は、Aquafilの工場でECONYL® カプロラクタム(ナイロン原料)に再生され、その後 ECONYL® チップや糸に加工されます。現在、ECONYL®はファッション業界や自動車業界を含む世界中の2,500以上のブランドオーナーに使用されています。一方、漁網は強度や染色性の問題により、商業化が困難でした。

Aquafilが開発した漁網製造に適した特性を持つECONYL®原料と、桃井・キノシタの製網技術を組み合わせることにより、石油由来のナイロン漁網と同等以上の品質を持つリサイクルナイロン漁網の開発と量産体制の確立に成功しました。これは、社会におけるナイロンのリサイクルスキームのさらなる導入を促進するものです。

伊藤忠商事は、持続可能な海洋環境の重要性を認識し、海洋ごみを製品へと循環させる事業に取り組んできました。今後も、環境に優しい漁網の利用促進や使用済み漁網の回収を通じてパートナーと共に、持続可能でリサイクルを重視した社会の創造に貢献していきます。

https://www.pudaily.com/Home/NewsDetails/45406

Share Please!
URLをコピーする
URLをコピーしました!
目次
閉じる