彰化化工は、 リーディングメーカーとしてポリマーポリオールの開発・生産に注力しており、ソファや自動車内装、靴材料、衣料など幅広い用途向けの高品質製品を提供しています。同社は革新と高度な技術を駆使した高性能ポリマーポリオールにより、人々の健康で快適な生活の実現に貢献しています。
革新的な開始剤
従来のポリマーポリオール製造プロセスでは、AIBN が開始剤としてよく使用されていました。しかし、AIBN は高温になると、発がん性物質であるテトラメチルスクシノニトリルを生成する副反応を引き起こします。この物質は分離が難しく、神経系に永続的な障害を引き起こす可能性があるため、極めて有害です。同時に、固体不純物や過剰な残留スチレンモノマーが発生し、VOC（揮発性有機化合物）の放出量が増加する恐れがあります。
一方、米国に輸出されるスポンジやマットレス製品は、屋内空気質認証で現行最も厳しい基準である Greenguard Certification UL28212018-04 を取得する必要があります。この規格では、スポンジとマットレスのテトラメチルスクシノニトリル含有量が 5ug/m3 未満であることを要求しています。
このような背景の中、彰化化工は革新的な開始剤を採用しています。この開始剤は、無毒な分解生成物をもたらし、モノマーの変換率を高め、ビニルモノマー残留量を低減し、VOC放出量を最小限に抑えることにより、製品の環境適合性と安全性を確保します。
最低限のモノマー残留量
さらに、彰化化工は環境に配慮した生産プロセスを導入することにより、固体不純物の発生を大幅に削減しました。これにより、スポンジメーカーは、スウィングヘッドのフィルタースクリーンやスクリーン布の目詰まりを防ぐことができ、生産性が向上します。また、気泡の数が少なくなり、気泡の細かさが向上したことで、製品の品質と外観も大幅に向上しています。
わずかな固体不純物
マクロモノマーは立体安定化をもたらします。粒子の凝集を減らし、粘度を下げる効果があります。最適化されたプロセスで製造された彰化化工のCarnol® P920は、主要外資系企業の製品と同等の狭い粒子サイズ分布を実現しています。
狭い粒子サイズ分布
ポリウレタン業界における環境および安全への懸念が高まる中、2017年には年末に公表された「重点管理対象化学品リスト（第一批）」にジクロロメタン（MC）が掲載されました。それに伴い、関連政府機関は、MCの生産と使用を最小限に抑えることで、この化学物質に関連する環境および健康リスクに対処する計画を立てています。
そのため、技術革新を通じてMCに代わる環境に優しい代替品を創出する必要があります。現在、市場には二酸化炭素発泡法と真空発泡法がありますが、後者はエネルギー消費量が多いため生産コストが高くなることから、多くの海外スポンジメーカーは二酸化炭素発泡法を好んで採用しています。
高圧発泡である二酸化炭素発泡では、ノズル詰まりによる急激な圧力上昇に伴う安全上のリスクを回避するため、ポリマーポリオールの粒子が4um未満であることが求められます。
より高分子量/高機能のマクロモノマーを使用し、最適化されたプロセスを採用することにより、Carnol® P920は0.4～4umの狭い粒子サイズ分布を実現しています。これにより、この要求を満たし、環境に優しいポリウレタンスポンジの生産をサポートすることができます。
優れた発泡特性
Carnol® P920の特性
- 超低臭気とVOC放出量により、顧客に健康で安全な生産環境を提供します。
- 優れた耐黄変性により、製品色の安定性と耐用性を確保します。
- 流動性と水可溶性に優れているため、密度勾配が小さく、きめ細やかで均一な発泡体を得ることができます。
- 優れた物理特性により、発泡体に高い引張強度、撕裂強度、および通気性を付与し、最終ユーザーに更なる快適さを提供します。
