BASF SEは、2024年の特別項目を除くEBITDAが予測レンジである80億~86億ユーロの下限に達する可能性が高いと発表しました。同社の第3四半期の特別項目を除くEBITDAは前年同期比5%増の16億2000万ユーロとなりましたが、アナリスト予想の16億7000万ユーロを下回る結果となりました。
EBITDAの増加は主にBASFの中核事業ユニットの「大幅な」業績改善によるものでしたが、単独事業の収益減少が一部相殺する形となりました。BASFが9月に発表した新しい戦略では、ポートフォリオを中核事業(化学、素材、産業ソリューション、栄養・ケア)と、単独事業(環境触媒・金属ソリューション、バッテリー素材、コーティング、農業ソリューション)に分けています。第3四半期の特別項目を除くEBITDAマージンは10.3%に上昇し、中核事業マージンは3.6ポイント増の13.4%を記録しました。
売上高は前年同期比で横ばいの157億ユーロを維持しましたが、多くのセグメントでボリュームが増加したことが貢献しました。一方、自動車市場の需要低迷により、表面技術セグメントではボリュームが減少し、不利な為替影響と価格下落が全体のパフォーマンスに影響を与えました。純利益は2億8700万ユーロに達し、2023年第3四半期の純損失2億4900万ユーロを逆転しました。この改善は、主にウィンターハル・デアの資産がハーバー・エナジーPLCに譲渡されたことによる3億9800万ユーロの一時的な利益によるものです。
BASFのコスト削減施策は順調に進んでいます。ダーク・エルバーマンCFOは、2024年9月時点で8億ユーロのコスト削減を達成したと報告しました。関連費用は5億ユーロで、2026年までに21億ユーロのコスト削減目標を掲げています。また、ルートヴィヒスハーフェン拠点での追加的なコスト削減プログラムも進行中です。
第4四半期には不確実性が予想されるものの、BASFは需要とマージンのポジティブなトレンドに期待を寄せる一方、価格の下落やボリューム成長の鈍化リスクを見込んでいます。カミート会長は、自動車および農業分野での事業展開が期待を下回り、表面技術および農業ソリューションセグメントの収益に影響を及ぼしたと述べています。また、ブラジルやアルゼンチンにおける為替圧力がマージンに悪影響を及ぼしており、栄養・健康部門では不可抗力の影響により、2024年後半のEBITDAが低い3桁百万ユーロ規模で減少する見通しで、第4四半期にさらに大きな影響が予測されています。