EU委員会、フランスの化学リサイクル支援策を承認 – 最大5億ユーロの補助金を提供

フランス政府は、プラスチック廃棄物およびポリエステル繊維の化学リサイクル施設への投資を支援するため、最大5億ユーロ(約800億円)の直接補助金を提供する計画を発表しました。

欧州委員会は、この国家補助スキームをEUの国家補助規則に基づき承認しました。対象となるプロジェクトでは、食品トレイ、フィルム、飲料用以外のボトル、ポリエステル含有繊維などの廃棄物を原料として使用し、化学リサイクル技術によって「元原料に近い素材」へと再生します。

EU委員会の見解

欧州委員会は、このスキームが生産・消費プロセスの循環性を高め、産業の気候中立化への移行を支援すると評価しました。また、以下のような点が考慮されました。

  • 対象: すべての業種・企業規模に開放
  • 補助内容: 投資コストの最大40%を補助
  • 比較基準: 環境負荷の高い従来プロジェクトと比較し、追加投資額を算出

さらに、EU委員会は競争への影響を最小限に抑えるための適切な制限が設けられていると判断し、今回の承認に至りました。

支援の影響

この支援により、フランス国内のいくつかの大規模化学リサイクルプロジェクトが恩恵を受ける可能性があります。

  • Carbios: PET・ポリエステル廃棄物を対象とする「バイオリサイクル施設」を計画。酵素による脱重合技術を用いるが、EUの決定待ちの影響で着工が延期され、一部のリストラを発表。
  • Saint-Avold(ロレーヌ地方)のプロジェクト: 環境サービス企業Suez、技術提供企業Loop Industries、韓国のSK Geo Centric(SKGC)が共同で推進していた化学的PETリサイクル施設。しかし2024年11月に中止が決定された。

https://www.pudaily.com/Home/NewsDetails/53799

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