エラストマーの専門家であるHuntsmanは、車輪およびキャスターの製造業者であるRÄDER-VOGELのチームと緊密に連携し、ポリウレタンベースの新世代帯電防止PEVOTEC®ホイールの開発に取り組んでいます。現在販売中のこのホイールは、HuntsmanのTECNOTHANE®ホットキャストエラストマーを採用しており、台車、カート、滑車、自動搬送車（AGV）の使用が円滑な運用に不可欠な産業用途向けに設計されています。
HuntsmanのTECNOTHANE®シリーズは、ポリウレタンベースのホットキャスト型エンジニアリングエラストマーで構成されており、ポリオールや架橋剤を含む豊富な製品群を揃えています。Huntsmanはこれらの原材料を様々な組み合わせで配合し、幅広い用途に対応する実績あるエラストマー配合を構築してきました。
製造や生産が活発に行われる環境では、ホイールに静電気が蓄積することで以下の問題が発生することがあります。
- ホイールに蓄積した静電気は、機器を操作する作業者に不快または痛みを伴う電撃を与える可能性があります
- 車両の電子部品に損傷を与えることもあります。
- ホイールの静電気はホコリや微粒子を引き寄せ、保持することがあり、半導体製造、製薬、バイオテクノロジーなどの専門分野では汚染の原因となります。
- ホコリの蓄積は、トラクション（摩擦力）の低下や自動機器の誤作動を招き、高額なダウンタイムの原因となります。
HuntsmanのTECNOTHANE®材料を使用することで、RÄDER-VOGELは55～97ショアA硬度の範囲で様々な選択肢を提供するPEVOTEC®帯電防止ホイールを開発しました。これにより、顧客のニーズに合わせたカスタマイズが可能になります。
RÄDER-VOGELは、まず以下の4つの用途に向けてこの新しいホイールの展開を計画しています。
- 何千もの製品を運搬する自動搬送車（AGV）を用いた倉庫・物流
- 都市部において車両をリフトで駐車する省スペース型自動駐車システム
- 台車やオーバーヘッド滑車にホイールが使用されるクリーンルーム
- 石炭粉じんの引火を防ぐ必要のある鉱山の昇降シャフト
HuntsmanとRÄDER-VOGELの協力関係は25年以上にわたり続いていますRÄDER-VOGELは1946年から、顧客の多様なニーズに応えるためにホイールとキャスターの開発を行っており、顧客ごとの個別対応品から標準化された大量生産品まで幅広く提供しています。PEVOTEC®シリーズでは、過酷な動作条件下で使用可能なホイールを展開しており、用途に応じて材料の化学的・物理的特性を調整しています。
