2025年4月2日、UBE株式会社(日本)は、Lanxessのポリウレタンシステム事業の買収完了を発表しました。この取引は2024年10月に発表されており、UBEはLanxessのグローバルなポリウレタン事業を引き継ぐことになります。これには5つの生産拠点、複数のアプリケーションラボ、約400名の従業員が含まれます。
取引の背景と詳細
Lanxessのポリウレタンシステム事業は、70年以上の歴史を持ち、高性能ポリウレタン樹脂の開発と製造に特化しており、半導体産業などの高付加価値用途に対応しています。今回の買収は、世界11カ所のLanxess子会社を対象としており、中国の上海および江蘇にある施設も含まれています。
UBE株式会社の戦略的ビジョン
UBE株式会社は、この買収をスペシャリティケミカル分野における戦略的投資の重要な一歩と位置づけています。Lanxessの技術的専門性、グローバルな人材、製造能力を取り込むことで、ポリカーボネートジオール(PCD)およびポリウレタン分散体(PUD)事業の拡大と、高性能ポリウレタン樹脂市場での地位強化を目指しています。
Lanxessの事業再編
近年、Lanxessは事業のスリム化を進めており、ポリウレタンシステム事業の売却は、資産構造の最適化とコアセグメントへの集中を目的とした戦略の一環となります。Lanxessはこの取引によって約5億ユーロを得る見込みであり、純負債の削減およびバランスシートの改善に充てられる予定です。
UBE株式会社のM&A施策
UBE株式会社は、2025年4月1日に「M&A推進室」の新設を発表しており、環境・健康・高付加価値市場における成長をけん引するためのユニークな技術やリソースの取得を目的としています。この取引は、スペシャリティケミカル分野におけるUBEの大きな事業拡大を意味し、Lanxessの事業変革にとっても新たな機会を提供することとなります。