旭化成、三井化学、三菱ケミカル、西日本のエチレン脱炭素化で合意

旭化成、三井化学、三菱ケミカルの3社は、西日本にある2つのエチレン製造設備について、脱炭素化の推進と生産能力の最適化に向けた施策を検討してきました。

これらの目標を達成するため、3社は経済産業省(METI)の「令和7年度(2025年度)化石燃料から非化石エネルギーへの転換等による産業構造転換促進事業費補助金(Hard-to-Abate産業等排出削減対策実行支援事業)」(HtA支援プログラム)に応募し、石油由来の資源に代わるバイオマス原料の使用などの取り組みを推進する事業として採択されました。

3社は、西日本の2つのエチレン生産設備を運営するための新しい共同運営体を設立し、その後2030年度を目標に、岡山県倉敷市にある旭化成三菱エチレン(AMEC)水島工場のエチレン生産設備を停止し、大阪府高石市の大阪石油化学(OPC)の設備に生産を集約するための基本合意書を締結しました。

HtA支援プログラムを活用し、旭化成が開発中の「Revolefin™(レボレフィン)」技術を適用してバイオエタノールからエチレン、プロピレン、その他の脱炭素基本化学品を製造する初の実証設備を、旭化成の水島製造所に設置します。設備の性能、運転、および手順面での検証を経て、3社は2034年度に脱炭素基本化学品の共同事業生産の開始を目指します。また、現在三菱ケミカルの敷地内でエチレン生産設備を運営しているAMEC水島工場の停止に対応するため、旭化成と三菱ケミカルによる設備改造が行われるほか、集約先となるOPCの泉北工場でも設備改造が行われる予定です。AMEC水島工場のエチレン生産設備および関連設備は、生産停止後速やかに解体されます。解体後、3社はカーボンニュートラルに貢献する形での跡地活用の機会を共同で検討します。

エチレン生産は石油化学産業の最上流の起点です。エチレンから派生する基本化学品は、日用品、自動車、半導体など様々な製品の製造に使用される素材となります。個別の企業が温室効果ガス(GHG)排出削減や設備のカーボンニュートラル化を進めるには限界があるため、近隣に位置する複数の石油化学メーカーが、技術の相互提供やカーボンニュートラルに寄与する施策の共同実施を通じて協力する必要性が高まっています。

この基本合意を通じて、3社は基本化学品事業のコストと利益を公平かつ合理的に分担する透明性の高い経営精神のもと、西日本のエチレン設備のカーボンニュートラル化と生産最適化を推進するための提携を深めます。3社はHtA支援プログラムを通じて、競争力のある脱炭素基本化学品への転換を加速させ、各社の事業分野におけるカーボンニュートラル市場を拡大し、持続可能なビジネスモデルを構築することを目指しています。


HtA支援プログラムの概要

本プロジェクトは、西日本のエチレン生産設備の脱炭素化と最適化に焦点を当てています。旭化成、三井化学、三菱ケミカルの3社によって共同で実施され、水島および泉北の生産拠点、ならびに岡山県と大阪府の関連施設を含む複数のサイトを網羅しています。

  • 投資規模: 総投資額は212億円で、最大104億円の政府補助金が含まれる可能性があります。投資対象は、エチレン生産設備や関連する物流・ユーティリティの更新・集約といった「構造転換」と、Revolefin™技術を用いた初の実証設備の設置を含む「プロセス転換」の両方です。
  • 排出削減効果: 大阪および水島拠点の近年の稼働レベルと比較して、年間約50万6,000トンのCO2排出量(スコープ1および2)の削減が見込まれています。主要な投資の完了は2029年度末を予定しています。
  • 生産の最適化: 2030年度を目標にAMECのエチレン設備を停止し、OPCの設備に生産を集約します。運営は、各社の引き取り量(オフテイク量)に基づき出資する共同運営体(JV)を通じて行われます。
  • 能力の変化: 集約後、合計のエチレン生産能力は年産95万1,000トンから45万5,000トンに削減され、より効率的で低炭素な生産構造が反映されます。

https://www.pudaily.com/Home/NewsDetails/62324

Share Please!
URLをコピーする
URLをコピーしました!
目次
閉じる